本題
「さて。 もう一つの題目に移らせてもらう。」
ルドリウス伯の雰囲気が変わった。
「聖女・アイリス。
本当にグレイの‘妻’に納まるのか?」
うおぃ、直球が来た!
「ハイ。」
「‘おじ様’の勧めもありましたが〜私はグレイさんの‘妻’となるコトを、自分の意思で決めました!
そして…………夫婦の‘契り’も済ませております。」
俺と違い、動揺もせず堂々と返答を返すアイリス。
ルドリウス辺境伯の顔に驚きが見えた。
‘振り’だと思っていた結婚話が本当だったと理解したのだろう!
「グ、グレイ君は聖女を‘娶る’事に………揺るぎはないのだな?」
「は、はい。」
「アイリスの‘本気’を〜感じ取りました。
年若過ぎる彼女の‘未来’を預かるコトに不安はありますが……………彼女の‘想い’をしっかりと受け、真なる覚悟を持って妻として迎えました!」
動揺を隠せない両者だったが、何とか話が繋がった。
こおいった題目は如何せん男側は駄目だよねー!
一拍天を仰ぐも、思い直す様に目を閉じ、ルドリウス伯は俺を見据えた。
「君も本気の様だな。。。。」
その目は鋭さではなく、何かを諦めた様な……………哀れみを誘う様な困惑を持っていた。
「〜で。」
「私も、君の‘婚姻’相手を連れて来たぞ!
‘勇者オルト’殿の先見の明を受け入れ〜君との‘絆’を深め、‘確固’たるにモノにする為に。
この度の来訪も、君の人柄・人物を直接この目で確認したかったのが…………実情である。」
完全に哀愁を漂う様なトーンで言い切る。
俺だって放り投げたい案件だよ?
何でこんなに大事になっちゃったんだろねぇ。。。。
「‘高’評価で宜しいですか?」
気分を変えるべく、敢えてコチラから採点を行なう。
「ああ。
報告書の通りの‘好’人物だな♪」
ニヤリと笑う、伯爵。
「で、どうする?
娶るか? 〜‘婿’に入るか?」
「は?」
今度は俺が困惑の顔をする番となった。
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「いきなり‘嫁’を用意するのは難題なのだぞ?
それでも‘二人’連れて来た。
君は‘幼い娘’でも平気との話なのでな♪」
「はぁ?」
俺は二度目の奇声を揚げた。
先程とは打って変わり、伯爵の顔は喜々としたものになっている。
そしてその顔には‘権力者’ならではの凶悪さを纏っていた。
何これ?
俺って、ルドリウス辺境伯にまで‘変態’認定されているっ!?????
あまりの衝撃に暫し呆けていると、ついに奥方が動いた。
「私の大事な‘娘’の婚姻話です。
私もこの目で確認すべく、夫に同行いたしました。
〜‘覚悟’を決めて返答をしなさい!」
……………。
‘ボケ’をカマして良いモノなのだろうか?
いや、駄目だろうな〜。
幾つか用意していた答えから選択をする!
「何方はお断りしたいのが本心です。」
「私は一介の冒険者。
高貴な方々との‘政略的な’婚姻を結ぶ所以は考えておりません。
領地に逗留させて頂けるコトで十分な満足を得ています。
〜現状、ルドリウス辺境伯との‘敵対’行為を行なう気はありません。」
俺は頭を下げて言い終える。
そもそも厄介事はいらない、今の幸せを壊さなければ敵対もしないですよ!
「良い答えです♪」
あっれー?
幻滅・失望する何処か、お気に召して仕舞った様だ!???
奥方は‘実に良い’微笑みをされていらした!
この辺りは昨年の段階で下書きをしていました。
やや強引な展開です。
(^o^;ゞ
ルドリウス伯は既にグレイの人柄や有用性を認知しており、この会合は単なる確認作業。
問題は聖女の立ち位置です。
活動拠点の移転や所属先の移動は利害騒動要因で、鬱陶しい案件なのですよ。
因みに、結婚しても聖女の‘力’を失うコトはアリマセン。




