遺物
夜遅く、ようやくシエルが目覚めてくれた。
胴体と腕を斬られた衝撃で気を失っていた事と、警戒所為の‘集中力’疲労からである。
‘即死’を免れた要因として事前の対応策がある。
シエルは諜報時代のフル装備を身に着けていた〜左の剣と右腕の防具で刀の‘速度’を落としたのだ。
玉砕戦法を仕掛けた‘フル装備’のシエルの身体を、ユーヤの‘腕前’では斬り裂くコトが出来なかったのが実情である。
やはり神様に力を強請り過ぎたのであろう、釣り合いをとる為に‘技能’を削った様だ。
俺ら側としたら良い方に転んだ選択肢であった。
シエルの命も助かったし、俺も勝つコトが出来たのだ。
さておき、俺はシエルに心から謝罪をした。
先ずは謝る事が全てに優先する!
油断していたと‘非’を認めていた所、シエルからも同様の言葉が返された。
姿を表したユーヤは俺の存在を確かめた‘次の行動’で攻撃を行なったのだ。
その無駄のない行動に‘俺の盾’になるという対応しか取れなかったらしい。
シエルの献身に頭が下がる。
ユーヤの刀は神様からもらった力なのである。
その刃は‘全て’を斬り裂く可能性があったのだから!
薄情と言われるかもしれないが、何時までも謝っていては先に進まない。
次の行動が待っている。
だが。
少しだけ、シフォンとカレンに弱気を言わせてもらった。
獣も魔物も人も斬っても殺しても‘自責’の感情は涌かなかった………。
だけど。
‘シエル’が斬られたのを見た時〜人を‘失う’事の衝撃を受けた。
肉親が亡くなった時とは‘違う’喪失感だった。。。。
斬られたシエルを放っての度重なる非情とも言える即行動。
冷情な主だ、諦めてくれ。
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ギルドにてこれからの対応を相談する。
‘とある冒険者の妻をいきなり斬り殺した少年。
その夫の仇討ちを受け、戦闘の末に死んだ。’
……………との筋書きとなった。
ここデュッセは勇者の‘所属する国’ではない!
真実が含まれていれば‘脚色’も可能とのコト。
教会関連からの漏洩があっても、十分に対応出来る筋書きらしい。
シエルの怪我は教会ではなく現場にて‘聖女’自らが治療したコトも功を奏した。
そして、ユーヤの使用していた二本の刀と装着具は崩れてしまったそうだ。
神様による‘他人’への流出対策だろう。
残りの一刀は無事であるが‘抜けない’との話。
なので、この件の関係者である俺に確認の検分がきた。
刀を手にとる〜‘ブワッ’と舞う魔力を感じた!!?
なんだ?
魔剣なのか????
柄を握り、鍔に指を添え…………鯉口を切る。
カチッ
金属音と共に刀が抜ける。
淡く白色の光を帯びたキレイな刀身が現れた。
「ぬ、抜けた!!?」
ギルマス始め、そこにいた関係者が驚く
全員が試し未遂に終わった刀が、事もなく抜けたのだ。
刀から何か暖かい気を感じる〜なんだろう、不思議な感覚だ????
一応、皆に近付かない様に動作で伝える。
‘呪い’の刀だったら、皆に斬りかかるかも知れないから。
刀が何かを伝えてくる。
……………残念だが、俺には解らない。
暫し刀身を眺め、スマンなと誤り鞘に戻した。
「何だったんだ、その刀は?」
進んだ事象にギルマスが感触を聞いてくる。
「解りませんでした…………。
何か‘魔力’の様な不思議な‘気’を感じる事が出来ましたが。。。。
この刀はどおしますか?」
素直に感想を述べ、この刀の処遇を尋ねる。
「グレイが倒した‘悪人’が所持していた武器だ、グレイに‘所有権’がある。
妻が亡くなった〜との筋書きだ。
慣例通りに、彼の所持品の全ては‘慰謝料’として遺族に譲渡される。
……………コートだけ国元に送れば良いだろう。
崩れた刀や装着具の残骸と共に。」
この不思議な刀は俺の物になった。
戦闘で二本の剣が粉砕している、代わりに使えと云われた。
シエルの技は〜エルフ‘由縁’の風魔法を使った高速移動です。
‘出現’だけでなく‘離脱’にも使えます。
時代劇での‘隠密’の動きを参考にしました♪
ユーヤの三本の刀は物理・魔法・闇への対応品。
この世界での全ステージでの戦闘を可能とする為の武器です。
唯一残った刀は神様の恩恵制限に掛からない様に‘封印’付きの精霊剣。
ユーヤが成長する事により刀の能力が‘解放’する仕組み。
高い魔力量を持ち、其れなりに強いグレイに反応を示しました♪




