怒号
「邪魔が入った。」
顔色一つ変えない少年は刀を振るいシエルの血を飛ばす。
油断した!
シエルは生きているのか?????
怒りもさる事ながら、俺の頭は冷めてゆく…………。
シエルよりもユーヤの一挙一動に気が向いてしまう。
シフォンが介助にかかる。
最上級ポーションは沢山ある‘即死’でなければ何とかなる!
カレンがシフォンの補佐についてくれた。
腕の回収も済んだ。
向こうは大丈夫だ、俺は…………ユーヤに対峙する。
俺には‘敵’を倒す役目があるのだ!
「よく真っ二つにならなかったな、何を入れていたんだ?」
ようやく顔を顰め、刃の状態をチェックするユーヤ。
足下には断ち切られたシエルの剣先が転がっている。
シエルは‘腕’を盾にしたのだよ!
剣と片腕を犠牲にする玉砕戦法にて、皆が大好き‘身体強化’の魔力技だ。
一本でも腕か脚が‘残れば’攻撃が可能なのだから。
息を吸い、剣を握り直す。
いくぞっ!
俺は鎌鼬を連射&速度加速〜その間に‘集中力’を高める!
ユーヤは‘二刀’で鎌鼬を斬り捌く、余裕すらみえる太刀筋だ。
流石の職業スキルというところか?
俺は剣の切っ先を立て突っ込む!
俺の全力の‘突き’を、両手に握る交差した刀で‘余裕’で受け止めやがった。
俺の剣が砕け散る…………。
勝ち誇るユーヤが‘笑い’の顔をする!
その顔がユーヤの‘最後’であった。
俺の速度MAXの、高めに高めた集中下に放たれた‘くり抜き’風刃が〜ユーヤの‘首周り’を切り裂いたのだ!
突撃は目くらましだよ?
キャベツの収穫よろしく、立襟の‘内側’から風の刃を滑り込ませたてやったのだ♪
俺の風魔法は空気が入る‘隙間’さえあれば届く。
某・守護妖精戦士の様に首元に‘圧着’防護を纏わなかった仕様が甘いのだ。
血を飛ばし、刀の動きが止まったユーヤに追撃の一撃をカマす!
強い相手に回避行動をさせない攻撃。
超・接近攻撃……………所謂‘0距離’打撃である!
齋藤さんの最終奥義だぜ♪
神様に貰った自慢の身体に巡らした‘気’を全身に捻り通し、剣先に乗せ打ち出す。
この時の為に用意した肉厚・重厚の片手剣の強力な‘突き’がユーヤを弾き飛ばした!
衝撃に片手剣は爆砕する。
吹き飛び、地面に落ちたユーヤに連続で鎌鼬を叩き込む。
そして、トルネードを圧縮&絞り込んだ特濃の‘魔力塊’を真上から撃ち落とす!
衝撃波の治まった所にあったのは〜手足と首が‘あらぬ方向’を向いたユーヤの横たわった死体であった。。。。
シエルを抱きしめるカレンがいた。
その手は斬り飛ばされたシエルの右上腕を支えている。
周囲には幾本ものポーションの空瓶が転がっていた。
「すまん、油断した。
シエルは………………生きているか?」
カレンは力強く頷いてくれた。
シフォンの姿はない、‘アイリス’を呼びに走ったのだ。
俺はナイフを抜き‘トドメ’としてユーヤの頭に突き刺す。
そして、ようやくシエルの横に座り込む。
ただ静かにシフォンの到着を待つ〜俺にはシエルの無事な‘左手’を握る事しか出来なかった。
少ししてアイリスを連れたシフォンが戻ってきた。
倒れて動かない‘コートを着た少年’の姿を一瞥した後、カレンの抱きかかえるシエルに手を伸ばす。
「治療します!」
‘聖女’の‘治癒魔法’が発動した。
眩い光と共に断ち斬られた右腕の‘接合部’の後が消えてゆく。
ポーションでは完治は難しいのだ。
更に防具を切り裂いた身体に残る深い傷跡が淡く光る。
〜数分の後、シエルの傷は消え去った♪
静かに眠るシエルを見つめ、アイリスは俺に事情説明を求めてきた。
治療の礼の後、事の経緯・顚末を述べる。
一通りの説明が終わる頃、ギルマス自らが職員を引き連れ現れた。
シエルの事もあり、一通りの事情聴取だけでこの日は解放された。
残った職員達は…………。
全身の骨が砕け、首が千切れかけた頭にナイフの突き刺さる‘ズタボロの死体’をみて、何とも言えぬ恐怖を感じていた。。。。
ハンっ!
俺の女を斬り飛ばした奴だぞ?
姿形が残っているだけでも有り難いと思え!
俺は悪鬼で構わん。
グレイも負けずに冷酷です。
倒れた仲間に打ち拉がれていたら敵に殺られてしまいますから!
先ずは相手を倒す事、‘掃滅’が最優先事項。
慈悲はありません!!!!
対人戦で油断したのは両者共々。
回生の‘手立て’を用意していたグレイに勝機が傾く事になりました。
※傷・病気に対するポーション効果は完全ではない設定。
聖・魔法&魔力が最上位とするコトで‘聖女’の特異性を高めています!
(エリクサー&アンブロシアで同等)




