防具の役割り
カイ君の防具の受け取り日、ガーネット・スターの面子も同行してきた。
なんやかんやで気になるのだろう♪
「おお、コレでカイ坊も‘立派な’冒険者だな!」
ターナが褒めてあげる。
ただし、‘坊’子供扱いのままであるが。
「そうだな。 立派だぞ♪ グレイさんにちゃんと礼を言うんだぞ!」
「わかってるよ、リア姉ちゃん。
グレイ兄ちゃん、ありがとう!」
微笑ましい姉弟である。
彼は‘見習い’になったばかりだ、決して一人前になったワケではない。
とても嬉しそうだ♪
「よし。 じゃあ他の買い物行くぞ!」
「え!!? 狩りに行くんじゃないのか???」
「いきなり行くワケないだろ?
その防具に慣れなくてどおする? それはお前の身体を守ってくれる相棒だぞ!
魔物の攻撃を防ぐモノじゃない。」
「え? どういうコト????」
困惑のカイ少年。
魔物の攻撃力の前には、防具の防御力なんてたかが知れている。
防具にはもっと重要な役割りがある!
「言葉通りだよ。
魔物と戦う時に、走ったり飛んだり転んだり〜しても‘動ける’為の身体保護用の装備なんだよ。
魔物と戦う‘力’をくれる存在なんだ。」
「はは。
よく解っているな、兄ちゃん。」
「そうだぞ、坊主。
魔物は強力なんだ! 強力な魔物と戦う為の‘補助&手助け’をしてくれるのが、防具なんだ!
武器と同様に、自分の大切な相棒なんだよ♪」
防具屋の主は語る。
例えフル・プレートの甲冑タイプの鎧でも‘直撃’では‘生身’が耐えられない。
攻撃をいなし、戦闘の継続or離脱を行ない命を存える為の保護力にして‘補助力’であると。
バイクでも似ている。
しっかりとしたアウターは、走行をスムーズに運ぶ。
ヤワな格好では風が纏わりつき、マトモに速度を出せない。
防具は最低限を押さえておけば良い。
‘事故’する為に走っているワケではないからだ!
「そっか、解ったよ!
この防具が馴染む様に修練するよ!」
よし。
イイ返事だ♪
「じゃあ、シエルにカレン。
今日はガーネット・スターと狩りに出てくれ。
俺はカイの‘身の回り’の買い物をする。
その後は………フル装備でマラソンだから!」
「分かりました、マスター。
ターナ・ルアット・リア、今日はよろしく。」
防具屋を出てシエル達と別れた。
翌日‘ヘロヘロ’の少年が、待ち合わせ場所にいた。
遅れずに集合しただけ合格だ♪
「今日は街の外へ行くぞ!」
カイ君が復活する。
「外へ行くからと言って‘狩り’をするかは分らんぞ?
昨日の続きだよ!」
意地悪く言ってやった♪
山中を歩き廻り、カイ君も慣れた‘採取’を実践していく。
ダン君の時同様、平地と山中との体力の消費の違いを体感してもらった。
時折、シエルやカレンが魔物を狩ってきた。
10日も経つとすっかり身体の慣れたカイ少年がいた。
そしてようやく魔物の狩りを体感させる。
別に直接戦闘をさすワケではない!
俺達の討伐を見学し、解体や討伐部位の回収を手伝わせる。
魔物を倒すだけが‘狩り’ではないからね!
二週間後、俺達の‘新防具’が出来上がった♪
コレを理由に‘初・狩り’を体験してもらった。
丁度、ゴブリンと鉢合わせしたのである!
シエルとカレンに大半のゴブリンを引きつけてもらう。
俺はカイ少年と同スタイルとして、右手に剣・左手に盾代わりの太い枝を持つ。
カイ少年に格闘の説明をしながら戦っていく。
カイ君も剣と盾を説明通りに上手く捌き、ゴブリンと戦闘を行なう。
体格も差程変わらないゴブリンは‘格好の’戦闘相手であり、武器と防具に慣れたカイ少年を鍛えていく。
カイ少年の成長は素晴らしく、初戦闘にて3体のゴブリンを倒した。
盾はそれなりにキズは付いたが、防具には攻撃は喰らわなかった♪
どおやら戦闘の才能は在りそうだ。
疲労困憊ながらも、喜びに溢れた少年が其処にいた。
バイクの装備もそうなんですが…………所詮、あんなモノじゃ事故の衝撃なぞ受けきれませんって!
バイクですら300kg、クルマなら1トン超えの重量攻撃ですからね〜。
冒険者は軍の兵士ではないので、一日中着けていられる快適さも必要なのです。
そして、活動に必要な小物類もその都度持ち歩かないといけません!
カイ君は冒険者として、実に恵まれたスタートを切れたといえます。




