突撃
翌日の夕刻にエルフの郷‘近郊’に着いた。
まだ明るい。
戦況を確認する。
エルフの郷の防護壁は‘樹木’一面に蔦が絡み合う様な木製の壁だった。
丈は高く、人間街の防護壁にも引けを取らない規模である。
その見事な壁に〜ゴブリンが群がっている。
合間合間にトロールもいる!
一番攻撃が上っている所は一際大きい巨体
‘サイクロプス’である。
何故かサイクロプスに攻撃が効いていない様だ…………。
「まだ陥落していなかったな!」
「だが不味い。
やはりサイクロプスに手をかけ過ぎている。」
「トロールが手薄だ、奴らもかなりの数がいるんだぞ!」
皆で状況を判断する。
「ちっ、のんびりしているヒマはないな。」
「シフォン、とりあえず俺はつっこむ!
少し撹乱してくる。
サイクロプスに一撃カマしてみたい。
〜下がる時にサポート頼む!」
「シエルは馬車の警護だ。
カレン、ハルバートを出してくれ。
そして何時でも離脱出来る体制を。
俺は一人なら振り切れる。
‘補佐官’だけは絶対退避さすんだ!」
指示を飛ばす。
そして。 背中に大剣、腰に片手半剣、そしてハルバートを手に駆け出した。
魔物の群れの‘横側’に向け走る!
防護壁に攻撃を当てない為だ。
「よし。 いっけー!!!!」
トルネードをぶっ放す。
続けてもう一発!
一撃目は後衛のオークへ。
二撃目は前衛の中程だ。
そして二撃目のトルネードの‘後を’すかさず走る!
目標はトロールだ!!!
一気にサイクロプスだと‘孤立’してしまう。
それにエルフ陣営の攻撃‘同士討ち’もコワい!
走った勢いのまま飛ぶ。
ハルバートには‘魔力’を纏わす。
「喰らえ!」
トロールの頭を弾き飛ばす。
勢いを殺さず次のトロールへと走る!
3体目のトロールへはハルバートの‘先端’を打ち込んだ。
ハルバートの刃が持たなかったのだ…………。
着地と同時に‘風の刃’を周囲に飛ばす!
「風刃乱舞・桜吹雪っ!!!」
春の突風で‘舞い踊る’桜の花弁を想像した。
周囲のゴブリンらを散らし、自身の‘スペース’を確保する。
再びトルネードを‘前後’に放つ!
後ろは‘退避用’通路だ♪
こんなトコで孤立はヤバいもんね。
前に放った‘トルネード’はトロールを数体弾き、サイクロプスに直撃した!
サイクロプスの‘左腕’と‘左脚’が飛んだ!!?
右肩から防護壁に向かって倒れ落ちる。
「い、今だ!
サイクロプスに集中攻撃だー!!!!」
エルフ陣営から声が上がり、サイクロプスに雨の様に攻撃が降り注ぐ!
俺は大剣を抜き‘後退すべく’走り出した。
‘鎌鼬’と‘斬撃’を駆使し魔物を弾き、群れを離脱して行った。
「お疲れ様です。」
シフォンが槍を持ちながら、戦闘区域近くで出迎えてくれた。
ドン!
俺に‘突撃’してきたのはカレンだった!??
「スゴい、スゴいぞ!」
「オークが、トロールが、そして‘サイクロプス’まで沈んだ!!!」
エルフの美女の感涙の出迎えだった♪
日が暮れたコトもあり、安全区域まで下がった。
「ココで夜営する。 カレン警戒を!」
「シフォンと補佐官は夜営の支度を頼む。」
‘シエラ’が指示を出す。
俺は‘主人’待遇となっていた。。。。
「凄まじい戦闘力ですね!
トロールが11体のサイクロプスです。 ゴブリン・オークも相当数の撃墜です!」
補佐官が褒めちぎる。
去り際に‘置土産’としてトルネードをもう一発カマしてきたのだ♪
これは‘軌道修正’をかけトロールを弾く様にして凪払ってやった。
「で、どおする?」
俺は皆に意見を聞いてみた。
「この人数での夜間行動は危険だ! 明るくなるまで待機で良いと思う。」
シエルが応える。
「‘サイクロプス’さえいなければ、砦は持ちこたえると思う。
トロールも随分減ったし♪」
カレンが同意する。
「旦那様、お身体は? 魔力を使い過ぎではありませんか?」
「ああ。 なんとか大丈夫みたいだよ。」
俺を気遣うシフォンに応える。
「‘ルツナ’が上手く手配していれば〜明日には獣人国からの応援がくる。」
「とにかく今夜は待機だ。 グレイは………‘主人’は休んでくれ!
カレン、私と二人で見張りだ。
シフォンは主人を頼む。」
シエルが照れなが指示を出す。
なんだよ‘主人’って♪
変に意識するだろ!
夜明け近く。
‘攻撃’の音で目を覚ました。
獣人国の‘応援’が攻撃を開始した様だ!
俺達も参戦した。
尤も‘同士討ち’を避ける為にトルネードは撃たない。
槍投擲でオークを狩る!
出し惜しみなしだ♪
シエルに‘補充’をしてもらい、全て打ち切る。
次はハルバートで突撃だ!
自身を‘乱舞’させ、片っ端からオークを薙ぎ倒す。
獣人国の応援部隊が来ているから、コチラは好き勝手に暴れてやる♪
俺の使い方が悪いのか?
ハルバートを‘2本’使って終了、退却した。
夕刻
スタンピードは‘粗方’片付いた♪
トロールは全て沈み〜ゴブリンは散った!
オークも最早、敗走戦となっている。
獣人国の部隊は強力だった。
俺達は昨晩の夜営地でもう一泊して様子をみる事にした。
夜が明け、魔物の‘沈静’を確認するとエルフ領へ向かった。
周囲の警戒をしつつ近づき、カレンが内部と連絡を取ってくれた。
門は完全に‘固定’してしまった為、郷に入るのは午後となるとのコト。
俺達と入れ違いに獣人国の応援部隊へと繋ぎが走って行った。
「この度は絶大なる助力感謝する!」
防衛隊のリーダーから挨拶が入った。
その後も重なる感謝の言葉を受けながら〜カレンの部族の元へと移動した。
其処で族長と会談し、この日は郷で泊まった。
ヒューズの街への‘連絡’も頼んでおいた!
応援部隊が近くまで来ているかもしれないし。
翌日。 獣人組も加わっての‘大宴会’となった!
俺は‘逃亡’を謀るも‘シエル’に見つかり、獣人組へと連れて行かれた…………。
飲めや騒げや決闘だ、と丸一日間宴会が続く盛況となった。
なんだ、この‘体育会’連中は。。。。
4日後、ようやく街へ通じる街道を走る事が出来ていた♪
夜にはヒューズに着くだろう。
メンバーは御者1の馬車内4人。 往きと同じ数、同じ‘面子’だ。
違いはカレンの‘荷物’が増えたくらいだ!
モチロン、エルフ族からのお土産も沢山頂いた♪
夜遅く宿に戻った。
無事の帰還に感慨の出迎えも、追加の‘二人’に女将が呆れた………。
その夜、‘嫁’が増えた。。。。
サイクロプスの‘一ッ目’は視界前面に‘防御フィールド’を展開出来る設定。
でないと、狙い撃ちで即終了になってしまいますから。
物理攻撃はモチロン、魔法攻撃にも効力があります。
高い再生能力を持ち、膨大な魔力と体力から防街戦では強力な敵となります。
グレイの様に‘視界範囲外’からの攻撃が効果的♪
左側面、手足が吹っ飛んだので〜防御フィールドは外れました。
後はエルフ陣営からの‘タコ殴り’で、ジ・エンド!




