指名依頼
シフォンとの‘蟠り’を解消してから暫く経つ。
この間にビッグ・バイパーの‘警戒態勢’は解かれた。
小さいコロニーが1個見つかっただけである。
俺も2回探索に行ったが特にバイパー等は見つからなかった。
俺が毎日の様に‘コーヒー’を飲んでいたコトで、宿でもメニューに記せるコトになった。
やはり香りは絶大だ。
更に近くで食事処を営業している宿屋の子供達の店でもメニューに記せた。
それに伴い若干の‘リフォーム’を行なった。
‘カウンター’と‘テラス’である。
食事とコフィでは摂る時間が違うんじゃない?
の俺の一声である。
店の一辺を壁丈半分にしてカウンター。
壁向こうをテラス席に増改築した、俺が。
チャチャっと壁を低く切り取りカウンターを設置する。
外の地面を慣らし土台を造る。
その上に櫓を組んでいく、そして床板を張っていく。
柵も角材と板でちゃっと作る。
3日で大方出来た、資材調達が開始前に1日、微調整用に1日、計5日での仕上がりだ。
ソコソコの手際に店内改装に訪れていた大工の人に勧誘を受けた。
俺の担当はカウンター及びテラスのみだからだ。
全体のバランスは専門家にお任せである。
地球での実家の修理は‘DIY’で自分で行なっていた。
テラスも作っていたので、作業には問題がなかったのだ。
壁に関しても、電気配線などは気にしなくて良いので簡単であった。
色は自分達で好きな色で塗ってね♪
テラス床部のみ、防腐剤処理を行なっておいた。
コレ以上の品質向上仕上げは、面倒だからしない。
日にちも掛かってしまうしね!
宿では女将が主人と何か相談している。
女将さん、俺は‘素人’です。
出来るコトと出来ないコトありますよ〜!
そんな平和な日々を過ごしていた俺に一報が届いた。
「グレイさん‘指名依頼’が届いています。」
「ギルマスより‘フル装備’でギルドへ来るように命令を受けました。
準備をお願いします‘至急’とのコトです!」
何やら緊急性の事案らしい。
‘シフォンも’とのコトで、2人で装備を整え迎えの馬車に乗り込んだ。
「おう。
すまんな、指名依頼だ! 説明に入る座ってくれ。」
部屋にはギルマス・補佐官の‘他’にも2名いた。
‘エルフ’と暗殺者‘シエル’である!
「先ずは現状説明だ。」
「南に獣人国があるのは知っているな? その隣接に‘エルフの郷’もあるんだ。
其処で‘スタンピード’が発生した!
で、そちらの‘2人’からグレイに指名が入ったって次第だ。」
簡潔かつ的確に、現状理解しやすい説明をしてくれる。
「何故俺に?」
至極当然の質問をする。
「一刻を争うからだ!」
「応援部隊を組んで出立し〜到着までに、3日程掛かる。
グレイが‘このまま’向えば、明日には到着する!」
俺は周りをチラっと見渡す。
シフォンは俺の大剣を抱え後ろに控えている。
問題の二人は未だ無言だ。
「じゃ次。
魔物の種類と規模は?」
「オークが主体でトロールを従えている。
そして…………‘サイクロプス’が目撃された!」
お、おう!!?
ギルマスが爆弾を投下した!
サイクロプスって言ったら‘一つ目’の凶悪な巨人でしたよね?
前世の俺でも知っている怪物だ!
「オークはエルフの‘天敵’なのです。」
ここに来て、エルフの‘美女’が応えた。
「‘トロール’だけでも防護壁が心配だ。 そこに‘サイクロプス’が加われば尚の事!
オークが雪崩込む〜ゴブリンやオークは女を襲う!!!」
「手を貸して欲しい。 一刻を争う!」
真っ直ぐコチラを見るエルフ。
初めて見る‘本物の’エルフだ!
言葉に偽りのない整った人間離れした顔立ち。
スレンダーな体型で絹糸の様なサラサラの髪を持つ、素晴らしく美しい‘人型’の生物だ。
とても現実味のない人間といえる。
一拍の呆けの後、気を取り直して応える。
「そお謂われても即答出来ない。
エルフの女性が危険な様に‘シフォン’も危険だ!」
「断るのですか、ダリルの風竜使い殿。」
俺の応えに‘シエル’が追従する。
俺はバースをみる。
「あの件の時に極秘会議を開いた。」
つまり、俺の‘素性’はバレているらしい。
「頼む、力を貸してくれ!
なんでもする、報酬だって幾らでも出す!」
エルフの美女が感情を露わにする。
男に何でもするは駄目でしょ、貴方。
ついジト目になってしまう。
「では‘全て’を捧げなさい!
心と身体と魂、あなたの全てをグレイに捧げなさい!!!」
‘シフォン’が条件を出した。
しかも、トンデモない条件だ!
「全て。。。。」
エルフが唖然とする。
シフォンが追撃する。
「グレイは命をかけるのです。
それに見合う‘対価’はあなたの‘全て’です!
‘命’では足りない〜グレイは‘私の夫’なのだから。」
空間が鎮まる。
「おい、オマエいつ‘悪魔’になったんだ?」
バースが場を‘和ます’べく、ツッコミを入れる。
「はぁ、最近。
シフォンには‘魂’を捧げてもらいました。」
俺は真面目に答える。
「ま、マジか?」
バースも唖然とした…………‘ボケ’になってなかったのだろう。。。。
「で、どうされます?」
シフォンが返答をせき立てる。
「捧げる! 私の全てを!!!」
エルフの美女は力強く誓言した。
「で。
シエルとの関係は?」
エルフの美女‘カレン’に尋ねる。
今は馬車の中だ、 御者を務めるのは‘シエル’だ。
馬車の中には4人いる、バースが‘補佐官’をつけてくれたのだ。
俺がシエルは‘信用に値しない’と言った所、シエルからも‘魂’を捧げられた。
これにはバースも愕然とし、慌てて補佐官をねじ込んだのだ!
つまり‘見極め’人である。
「シエルとは幼馴染なのです。 シエルは‘ハーフ’です。」
シエルは‘長期の謹慎’である為、特別に‘里帰り’を許されたのだそう。
で、幼馴染3人で郷の近くで逢っていた所、郷に進行するスタンピードを発見したとのコト。
もう一人は‘獣人国’へ救援依頼をしている。
カレンはシエルから俺のコトを聞いて、かつ‘エルフ族’の依頼人としてヒューズに同行した。
御者はシエル・シフォン・カレンの3人で行ない、馬の休憩を摂りつつ走り続けるそうだ。
俺は体力の温存だ。
ん〜。
またスタンピードだ、オマケに‘サイクロプス’なんて怪物もいる。。。。
シエル&カレンという‘厄介事’もある。
はぁ。
どおするの?
エルフさん登場♪
初期設定ではデュッセ編での出来事にする予定でしたが〜コーヒーや獣人国などの事から、ヒューズ編に。
シフォンさんの強弁は、グレイの伴侶としての‘対価’要求です。
因みに、グレイの‘好み’を予測しての従属要求となっています♪
DIYの家に関して、‘棟上げ’以外は比較的簡単な作業といえます。
テラスも大小の違いだけで構造は共通で作れますよ!




