思惑
次の朝。
朝食後のコーヒーを‘何故か’バースと飲んでいる。
もちろん宿の‘中庭’でだぞ!
昨日の会議の‘あらまし’を話に来てくれたのだ。
「つーコトで。」
「やっぱり‘どうやって’奴らを見つけ出したのかが説明出来てない。
回収隊がバイパー本体を持ち帰ったら完全に警戒体制に移る!」
一応、俺の‘風魔法’は伏せてくれた様だ。
「他の捜索隊も今日連絡が入るハズだ。」
そろそろ締めるのか?
「どうやっても何も……………アンタが蛇だっつーたでしょ?」
「水場や窪地探したらいましたよ!」
探索の感触を思い出す。
とりあえず推測をたて、考えを言ってみる。
「たぶんもう移動は終わっているんじゃないのか?」
「だから目撃情報が少ない!
少し前の移動の時にコボルトが弾かれたんじゃないかな?」
「そうだな、それなら納得出来る。」
「じゃ、何処かに纏まっている…………のか?」
ギルマスも俺と同じトコロに落ち着いた様だ!
「たぶん。」
俺は短く肯定した。
「失礼します。 緊急連絡が入りました!」
ギルドの職員が報告に来た。
しかも、緊迫状態で!
「‘荒野の轟’よりバイパーの‘コロニー’発見の一報が入りました
至急ギルドへお戻り下さい!」
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「ご苦労だった。」
「改めて頼む。 場所と規模は?」
ギルマスが‘荒野の轟’のリーダーに尋ねる。
それを受け、轟のリーダー‘バダル’が説明に入る。
「西南の森の丘向こうにある‘窪地’の様な所だ。 結構遠い。
湿地になっている様で水が何ヵ所か視えた!
数は20〜30くらいだと思う。」
仲間と確認をとる。
「絡みあっている奴もいるんで、正確な数は把握出来なかった………。」
「だが、50はいない!」
パーティーの総意を述べる。
「そうか、後で詳細を頼む。」
暫しの熟考の後、ギルド側の状況を説明する。
「コチラは昨夜‘バイパー’の魔石と牙が持ち込まれた!」
轟らがざわめく。
「今、調査隊が本体の‘回収’に向かっている〜出来ればそちらの報告も待ちたい。」
「‘リセル’、すまんが‘コロニー’の確認隊を編成〜現場の調査を頼む!」
「そして、討伐隊の出動は明日中に動ける様に手配をしてくれ。
移動だけでも済ましたい!」
ギルマスの決断が降りた。
「ギルマス訊いてよいか?」
バダルが手を上げた。
「構わん。」
「その魔石を持ち帰った冒険者は?」
3体ものバイパーを仕留めた冒険者だ。
轟ではなくとも気になるだろう。
「ふむ。 お前達も知っている‘茶髪’の男だよ!
一応、まだ発表前だ…………他言は遠慮してくれ。」
「向こうさんの意向もある。」
慎重に応えを返す。
「あ、アイツかぁ〜!」
「あの腕前だったら納得だ♪
〜じゃその辺は後で教えてくれ。」
意外な人物に、やや嬉しそうに納得していた。
そして速やかに詳細報告に移って行った。
「さて。
今日ビッグ・バイパーの‘コロニー’が発見された。」
関係者を集めた会議結果の報告が始まった。
「このコロニーの発見により、以前からあった魔物の‘増加’は〜このバイパーの移動集中による‘格下魔物の退避行動’と推測が出来る。」
「更に昨日、‘3匹の’小さいコロニーも発見・討伐がされている。」
小声でのざわめきが起こる。
魔物の増加の‘原因’が推定されたのだ!
驚きは当然だろう。
「よって、今日発見されたコロニーを騒動の‘中枢’とみるコトにする!」
「現場の確認は軽くだが済ませてある。
迅速に行動したい為、第一報で判断させてもらった。
調査は引き続き続行中だ!」
今度は静かに説明を聞いてくれている。
ギルマスは一瞥後、話を纏めに入る。
「発見チームと状況&状態は‘ほぼ’一致している。
故に、コレを‘確定情報’とし、明後日‘討伐戦’を行なうコトに決定した!」
「討伐戦お呼び討伐隊の編成などはこの後説明が行われる。」
「で、出立は明日。 最寄りの街道脇で一泊、明るい内に決戦だ!
無事に終わったら〜翌日以降、他にもコロニーがないかの‘追跡探索’調査を行なう予定でいる。」
では。
「皆の協力・奮闘を願う!」
ギルマスが締めた。
‘ビッグ・バイパー’の討伐戦が決まったのだった。
「よお、待たせたな!」
バースは執務室に待機していた男に話かける。
「で、グレイは参加するんだろ?」
やや心配気味に質問する。
「いや、考えてはいないケド?」
やはり渋った回答だった。
「なんだやはり風魔法か?」
「そお。
だって回収隊にも突っ込まれたんでしょ?」
当然だとばかりに続答するグレイ。
魔法使いは数在れど‘オリジナル’使い手は珍しい。
「もお知っているんでしょ?
俺が‘ガラ’から来たって。」
目を見つめストレートに攻めて来た。
「俺の風魔法は‘目立つ’って、シフォンから‘控えろ’言われているんだよ。」
「機嫌損ねたら喋ってくれなくなるし…………怒ったらコワいんだぞ!」
物凄く嫌な表情で答える。
「い、いやオマエ…………尻に惹かれまくっているぞ!!? 」
「もしバイパーが散ってみろ。
‘フル体制’での部隊でも被害が出るぞ?」
バースは慌てて弁明・説得を試みる。
「コロニーが崩れる頃…………なのか?」
小さく呟く。
「崩れた後のバイパーの状態ってヤバいのか?」
改めて危険性の考察に入った様だ。
ココで決める!
「ああ、アイツらは魔物だ。
‘交尾’が終わったからっていって‘死ぬ’ワケじゃない!」
「特に、‘メス’は危険だ。
たぶん……………‘凶暴化’する!!!」
どうだ!?
コレで!
「んじゃ、どおするの?
俺が魔法で‘タコ殴り’して終わらすのか?」
「そして、また‘見世物’になるのか?」
く。
イタい所を突いてくる。
「せめて、付き添ってくれないか?」
「討伐隊に‘被害’が及びそうな状況になったら〜撤退に‘助力’して欲しい!」
これ以上の譲歩はキツい………。
苦渋のバースの顔を視る。
『この辺りが落とし所かな?』
俺は了承した。
これまでの事象により、グレイの慎重さがMAXレベルとなりました。
極端に‘目立つ行動’に対し、自制を掛けているのです!
何せ‘クリス’を置いてきています。
バースだけでなく轟の‘バタル’も期待していますよね?
何処までが協力の‘有効’範囲なのか?
難しい判断に揺れているグレイです。




