試飲会・午後の部
午後になってようやく開放された。
遅い昼飯をとる為に冒険者ギルドへと向かう。
あそこの食堂は一日中食事が可能なのだ。
もちろん昼と夜で扱いは違うが。
‘肉野菜炒め’の様な定食を注文。
一緒に‘常温’のエールを添える。
俺は‘炭酸飲料’を食事中の飲み物としていたのだ。
バイクを日常使いで乗っていたので‘アルコール’は乗らないと‘決めた’時だけのモノだった。
この世界にはバイクはない。
‘飲酒運転’も存在しない〜戦闘に支障が出ない範囲なら、何時でも呑めるのだ!
う〜ん。
氷がほしい…………。
ぬるいエールは何か違う。
折角の炭酸モドキも、いまいち物足りない。。。
ブツくさチビちび食べていると………。
「グレイさん、ギルマスがお呼びです。」
職員から声がかかる。
〜‘足音’はちゃんとしたよ!
仕方ない。
残りを急いで食べきり、ギルマスの執務室へ向う。
「オマエ、何やらかした?」
開口一番、ギルマスが尋ねてきた。
「‘職業’・‘薬師’のギルドがバタバタしてるぞ!
ウチにも‘護衛依頼’幾つかきてるし。」
一応、何か難しい顔をしている。
「あ〜。 バニラ、無事に見つけるコトが出来ました。
ありがとうございました。」
様子を伺いつつ、先ず御礼の言葉。
「で。 試作で試飲会をしたトコロ、高評価を頂きました。」
「なので。 バタバタなのかと。」
大丈夫そうなので、説明を端折る。
「わかんねえよ!」
ギルマスは笑いながら応えた♪
「ふむ。 なら、バタつくのも仕方ねえな〜。」
笑いが採れたので、一から説明を行なった。
「しかし、やったな!
上手く生産加工がいけば、この領の‘特産’が増える。」
「獣人国の森林にはまだまだありそうだな♪
オマエ、ちょっと行ってこいよ!」
やはり高揚・上機嫌にギルマスはなっていた。
「いやですよ!
必要以上に深い山林には入りたくありません。」
深すぎる山は‘害虫’の危険が高いものなのだ!
(←地球では)
「それに。 ‘もふもふ’は好きだけど‘ケモ耳’の趣味はアリマセン。」
ボケを挟むコトも忘れない。
「なんだよ‘もふもふ’とか‘ケモ耳’って!??」
やはり食い付いてきた。
知らない表現だったのだろう。
「え、ケモ耳愛好家知りません?」
「ま、居ないのなら良いのでは???
………世の中、いろんな趣味志向がありますので。。。」
「因みに俺は‘猫派’。 女性ではメイドとエルフが大の好みです!」
この際だ、趣向はハッキリさせておく。
「あ〜〜〜〜なんとなく解った………。
この話は終わろう。」
あ。通じてしまった。
この世界にも‘毛並み’に癒やしを求める崇高な人々がいる様だ。。。。
「バニラが出来たら俺にも食わせろよ!」
元に戻ったギルマスが強請る。
「俺が作るより料理人が作った方が美味いと思いますよ。」
「でも、使い方知ってんのオマエだろ?」
スゴく正論。
「見た目に依らず、結構‘鋭い’ですね!」
「俺は頭脳派なんだよ。」
俺の‘おちゃらけ’にキチンと返してくれた。
結構、気に入られたのかな?
「あ。 ‘氷’ってどおやって入手しています?」
さっきの‘ぬるい’もどかしさを思い出した!
「いきなりだな。」
「基本、魔法だ。
水魔法の‘派生型’で氷を使える者がいるんだよ。
やはり食料の‘保存’に有用で、氷魔法が使える奴は仕事に困らない。」
やはり食用としては使わないみたいだ。
「で。 氷が必要なのか?」
興味が湧いたみたいだね♪
「ハイ。
氷が必要な‘お菓子’を作りたいので。」
「それと。
‘冷たい’エールが飲みたいっ!!!!」
コチラも強請ってみる。
「冷たいワインもイイですね〜♪」
「美味いんだな!」
「ええ。」
お互いに即答してしまう♪
「エールの種類にもよりますが〜多分‘白エール’に合うと思いますよ。」
コッチに来てからのアルコールを思い出して推測してみる。
「よし。
ちょっと休憩に入ろう!」
いきなりのギルマス。
「勤務時間では!!?」
「エールの2杯や3杯じゃ酔いやしねぇよ!」
しかも酒豪発言。
阻止説得は無理そうだった。。。。
「どうやって冷たくするんだ?」
「幾つか方法があります。」
「薄まっても良ければ〜そのまま氷を入れる。
時間があるならば~樽ごと冷やす。
氷でジョッキを造るも良いですよ♪
金属製の容器を使えば〜10分程で冷えますね!
中身の漏れない容器が必要ですケド。」
ギルマスの問いに思いついた方法を一通り述べる。
「なら………。」
「金属製の容器を周りから冷やし、少し冷えたら〜氷入りのジョッキで呑もう。
今はそれが手早いだろう!」
無駄なトコで頭脳派ですね♪
‘冷え冷えエール’の愛好家が増えた瞬間だった。
この夜。
再び職業ギルドでは、バタバタと走り廻る大事態となった。。。。
元々、グレイはビールを好んでは呑みません。
呑む時は‘氷’をゴロゴロ入れ、存分に冷やしていました。
‘ガルタ’は広大な森林を持つ獣人国です。
様々な森の恵みを所有していますが、バニラの様に使い方の理解らない素材も沢山ある設定にしました。
隣国に‘エルフの郷’があります♪
‘郷’は世界中に幾つか点在している設定。
‘ドワーフ’も同様の設定にしています。
主に‘鉱物’の採れる地域に‘郷’があります。




