試飲会・午前の部
翌日は‘職業’ギルドへ赴いた。
バースさんが‘口添え’してくれたからだ。
‘権力の行使’は有り難くもあるが、行動が決まってしまうのが欠点でもある。
この辺の感覚は‘病弱’から来ている。
ホントの病人・怪我人は、予定に‘合わせる’体力・体調がないのである!
愚痴は別として、ココ職業ギルドにて‘有力な’情報が得られた♪
やはり‘食用’ではなく‘香り付け’として〜香水や化粧品、石鹸などに‘試行錯誤’の一端として少量取り扱いがあるらしい。
未だ、利用法が‘確立’されていない素材とのコト。
現物は‘薬師’の所にあるだろうというコトで、二日続けての薬師ギルド来訪となった。
「‘黒枝’はあるかい?」
職業ギルドの方が訊いてくれる。
‘黒枝’と呼ばれている素材が容疑物だ。
蔦の花から採れる細長い種子なのだが、稀に緑から黒く変色したモノが‘甘い’香りを放つ。
香りは弱く中から細かい粒がとれ、粒の方がやや香りが強いとのコト。
たぶん、コレだ。
情報が俺の記憶とあっている♪
確かランの種類で蔦を伸ばす。
‘発酵・乾燥’を繰り返す作業をするコトで‘黒い小枝’の様なバニラビーンズとなる。
中から‘細かい粒’が採れるとなれば当たりだろう!
はっはっは。
病気のインドアも役にたったぜ!!!
‘見覚えのある’萎びた黒い小枝を診た俺は、心の中で小躍りをカマすのだった。
「コレがリュウさんの言っていた‘バニラ’という物ですか?」
「ええ。
たぶん間違いありません。」
「コレは緑色の種子の時に採取して、発酵・乾燥を繰り返し作り上げるんです。」
「残念ながら正しい加工法は知らないのですが、この黒枝は‘偶然’出来た不完全なモノと思います。」
記憶を呼び覚ましながら説明する。
「この匂い、確かに‘バニラ’です♪」
「どの様にして使うのですか?」
「俺の知識は些細なモノと前提して聞いて下さい。」
「メインで使うのは、この‘粒’。
中身をとった‘鞘’は香り付けとして、鍋に煎れます。
兎に角、調理過程で‘混ぜる’だけです♪」
ほぼ‘バニラエッセンス’しか使っていなかったが、料理番組での使用法もこうだったハズだ。
「そして‘抽出’して‘液体’にしたモノもあります。
この抽出法は確か…………。
‘アルコール’での抽出で良いと思います。
‘オイル’での抽出もありましたね!」
「全て、お菓子・甘味に使っていましたよ!」
ホイップクリームやプリン、クッキーを思い出す♪
「ほぉ〜。」
「甘味だとよ!」
「お菓子だー♪」
一部で歓声が挙がる
「少し試してみます?」
一応聞いてみる。
「出来るのですか?」
「ええ、ホントの‘お試し’です。」
直ぐに食い付きました♪
「ミルクティー用のミルクと砂糖を用意出来ますか?」
「おい、持ってこいっ!」
一人が叫び一人が疾走る。
たぶん、甘党派なのだろう
俺は作り置きのコーヒーを温める。
昨日のコトもあり、こういう時の為に持参していたのだ。
用意してもらったミルクと砂糖を別の容器に入れる。
そこにバニラの粒を加えて、温めていく。
「お、甘い匂いがしてきたぞ♪」
砂糖とバニラ粒を調整する。
小振りのカップにコーヒーとバニラ入りミルクを注ぐ。
コーヒーちょい少なめのミルク多めにしてみた。
‘甘味’の試作だから♪
小皿に一口分入れ、先ずは自分で試飲。
「美味いっっっ!」
やった成功だ♪♪♪
皆も次々試飲していく。
行き当たりの試作は大成功だった♪
「美味いぞ!」
「香りが素晴らしい!」
「あのコフィがこんなになるなんて!!? 」
「ミルクだけでも美味い!」
たった一口レベルの試飲会が大盛況となる。
「よし黒枝の発注だ! 緑の状態のも仕入れろ。」
「発酵は先ずは紅茶の手法で試してみよう。」
「抽出は薬師で頼むぞ!」
次々と話が進む。
「所で。
リュウさんのコフィはどのように淹れているんですか?」
『あ、気づいた!』
一人のスタッフが俺のコフィの入ったポットを視て訊いてきた。
「コレは商会の方に‘俺個人’で飲むという条件で譲ってもらったコフィで淹れたモノなんです。」
「‘了解’を取らないとお話するワケには…………。」
素直に事情を説明する………も、虚しく。
「そうか。
なら、商会にも人をまわせ。」
「コフィの淹れ方の許可を取るんだ!」
他にも気になっていたスタッフがいた様だ。
空かさず指示が飛んだ。
あ〜あ。
大事になっていく。。。。
バルトルさん、ごめんなさい。
長いので分けました。
グレイは単なる‘甘味好き’なだけなので、ホイップクリームとクッキーくらいしか作った事がありません。
アイスクリームやプリンは市販品で、作り方のみTV・雑誌等から知識があります。
他にも何点か作り方の知識を持っています♪
抽出の違いは‘水溶性’と‘油性’だと記憶しています。




