新しい街
過酷な旅を覚悟していたが、シフォンは大胆にも街での宿泊を選んで旅を進めた。
夜営は初日と翌日の2日間だけだった。
かえって夜営の方が目立つらしく、長距離移動用の行程手順をとる事で〜より早く、より迅速に離脱出来るとのコト。
流石だわ!
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ザシュッ!
コボルトが2つになって倒れる。
「ふ〜。 コレでお終いかな?」
辺りには多数のコボルトの死体が散らばっている。
「助力、ありがとう。 助かったよ!」
商人の護衛から感謝の声が掛かる。
「いや。 魔物、多いね~!
今日二度目だよ?」
「ああ、この辺は多いんだよ。」
「だから俺たちがいる、んだケドも……………数が多くなっている!
前は10を超える様なコトはなかった。
今なんて‘群れ’だったからな〜。 危なかったぜ!」
護衛の冒険者が近況を話す。
「コボルトはどおする?
このままじゃ…………不味いだろ? 街道だし。」
「取り敢えず、寄せないとな! 分配はどうする?」
「いらないよ。 代わりに片付けをよろしく。
さっきタップリとやったんだよ!」
助っ人に入った‘茶髪’の男が応える。
「そうかい? 悪いね、頂くよ。」
「おーい、早く寄せろ〜! 剥ぎ取りは寄せてからだ。
全部ウチらの分だぞー♪」
護衛達が活き活きと動き始めた。
「この度は誠にありがとうございました。」
後ろから商人が挨拶をしてきた。
「先程も話されていた様に、ココの所〜魔物の襲撃・数が増えております。
良ければ街までご一緒願いませんか?」
「いや。 少し急ぎたいんだ、予定より遅れていてね。
彼らの‘取り分’を減らすワケにもいかないし♪」
やんわりと断った。
「そうですか。」
「私は‘ヒューズ’で商いをしている‘バルトル’と申します。
何かありましたらお声掛け下さい。
コチラで出来る事は精一杯受けさせてもらいます!
それでは、お世話になりました。」
「その時はよろしく。 じゃ!」
馬車へ戻り、旅路を急いだ。
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防護壁が見えてきた。
馬車や人々の姿も多くなってきている。
「着いたか?」
「ハイ、旦那様。 あれが‘ヒューズ’の街です。」
‘茶髪’の男が尋ね、‘御者台’の女性が応える。
「やっとだな。」
一組の男女〜グレイとシフォンが‘新天地’へ辿り着いた。
「ホントに‘髪’の色を変えるだけでイイのか?」
グレイが尋ねる。
「‘黒髪’で‘凄腕’の‘美しい妻’を連れた冒険者〜という‘三つ’の条件が揃わなければ、全く問題はありません。」
「ただし…………‘風魔法’は、なるべくお控え下さい。
旦那様の魔法は‘オリジナル’なので、確実に目立ちます。」
「えっと。 その‘旦那様’っていうのは……………やめる気ないの?」
「私は妻であると同時に‘メイド’でもあります。」
「それとも。
‘アナタ(下僕)’って言われて‘ブーツ’で足蹴がお望みでしょうか?
鞭と蝋燭をお付けしますよ!」
何処で覚えた!??
フツーに名前で、良くないかい?
「‘ご主人様’は大好きなんだが…………。」
つい、呟いてしまう。
「グレイは夫であり‘雇い主’ではありません。」
名前、言えるじゃん!
あっと言う間に入街審査の順番が来た。
宿に着いた。
清潔、夫婦OKの条件で探した。
ふー。
さて。
「存分に愛し合おうか?」
‘ぐー’パンチが顔面に射さる。
「夕食が先になります。 食堂が閉まってしまいますよ!」
連れないメイドだ…………。
予想以上に入街審査の‘列’が長く、日が暮れる前に街に入れなかったのだ。
ココでも‘魔物の増加’が影響しており、誰もが明るい時間に街へ来れる様に移動しているらしい!
な〜んか、前もこんなコトあったよな?
シフォンにデジャヴ確認をしてみる。
「旦那様と出会う前かと。」
「………オーガに追い立てられたオークでしょうか?」
シフォンが推察してくれた。
「‘フラグが立つ’といいましたか?
今夜旦那様が‘奮い立つ’と~今夜以上に‘ハッスル’する事態になりそうですね♪」
君は何処ぞの副マスですか?
皿を空にし、ワインを煽る。
今夜くらいユックリしたいな〜!
折角‘ヒューズ’に着いたんだし。
あ。
タップリはするよ、ご無沙汰だし♪
シフォンも微笑みながらワインを追加した♪♪♪♪
幸い、夜中に叩き起こされるコトはなかった♪
まだ眠っているシフォンを部屋に残し、宿を出て街ブラに赴く。
人目を避ける為、今までは殆んど街歩きはしなかった。
入街審査の順番待ちの時、朝から露店が並ぶとの情報をGETしていたのだ!
まあ。
一人での露店巡りは〜後でシフォンに怒られるだろうが、たくさん‘ハッスル’してしまったので仕方ない。
(そっちでも怒られるか?)
朝食に被らないお菓子系の甘味を探す。
もちろん、シフォンへの献上品だ。
〜‘ふっ’と、懐かしい匂いが鼻に入った!
この匂いは!!?
俺は慌てて辺りを見渡す。
一軒の店で‘黒い’液体が目に留まる!
一瞬で駆寄る。
‘黒い’液体を凝視する。
「ねぇ。
コレ下さい、飲んでみたい!」
やや驚き気味の店主が、焼き物のカップに黒い液体を注ぎ、渡してくれた。
「カップは返却してくれな。」
俺は‘うんうん’頷きながら大銅貨と引き換えにカップを受け取る。
近くの仮設のイスに座り、カップの中身を再確認する。
そして、一口。
「やっっっった‘コーヒー’だっ!!!!」
拳を握りしめ、ガッツポーズをキメた!
ハイ。
周りに誤りました、ごめんなさい。
もう一口。
‘ドロッ’としているが、確かにコーヒーである!
例えるなら~某ス○バのトロみ系のコーヒーだ。
アチラよりも一層‘とろみ’が強い。
多分、まだ洗練されていないのだろう。
この‘とろみ’で、砂糖やミルクを必要とせず飲用しているっぽい。
飲み終わり、店主に何処で手に入るか訪ねる。
ちょい渋られたが~持ち帰りで大瓶を注文したら、快く教えてくれた♪
南にある‘ガルタ’からの貿易品で、露店や食事処では‘粉’で仕入れるとのコト。
大きな商会で扱っており、領主地へ流れているから‘ヒューズ’でも飲めるらしい。
王都ヘは‘活力’の湧く薬用飲料として流通しているって!
(まんま、コーヒールン○だね♪)
飲み過ぎるなよ、と注意を受けて別れた。
初めてのテンプレだよコレは。
扱いは商会?
ああ、馬車の商人が居た!
‘バルトルさん’との遭遇はこの伏線だったよな?
この街で‘商い’しているって言っていた。
後で探してみよう♪
コーヒーに合いそうな甘味を求め、露店区を歩く。
久々に街の雰囲気を味わった!
シフォンは‘旅装束’の為、御者をしていても悪目立ちしません。
女性冒険者も数多くいますので。
‘アトラス’は直轄地の中心街の名であり、‘ヒューズ’は衛星街の一つ。
貿易中継地でもあります。
‘コーヒー’との出会いはグレイの今後にどんな影響を与えるのでしょうか?




