先生
騎士の駐屯地・別館を訪れる。
別館は騎士関係のお客さんを出迎える施設であって、領主の娘であるクリスさんはココの一室に滞在している。
前回の時は‘探索’という一時的な滞在だったので、代官館だったらしい。
そして。
クリスさんは現役の騎士であるので、夜を共に過ごす時は〜俺が泊まっている宿を使っている。
応接室を借り、勇者パーティーの件を話す。
「ふむ。 私は構わんぞ。」
「そもそも勇者パーティーの教育などといった機会は、まず無い。
勇者は一時代に3〜5人程、聖女も同様だ。
世界各地を巡っているが、見習いとしての修行は僅か2〜3年の出来事なんだ。」
うーん。
クリスは積極派なんだ。
「リュウは嫌なのか?」
「そうだね。
人にモノを教えるのは大変な重労働だ。
同じ様に教えても受け取り方で育ちがガラッと違ってしまう!」
「……………憎しみを買うコトもある。」
「そうか。
リュウは真面目で責任感が強いんだな………。」
「確かに教え方で良くも悪くもなる。
先にいる者が、優れた知識・技術を持つ者が教えを説かねば誰が教える?
先ずは信じるコトが大切なのだ!」
ふー。
クリスは強いな!
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翌日、代官館に出向いた。
改めて全員で挨拶を行なう為だ。
コチラは俺、クリス、シオンの三人。
勇者側は、パーティー見習い組4人とサポートの2人。
そのまま代官館の警備兵用の訓練場を借りる。
身体能力を確認する為だ。
「‘ダリルの風竜使い’に師事叶い、光栄です!」
ダン君、妙なコトを。
「‘風の走竜’はオーガ戦での戦況を決めた一撃なのですよ!」
弾んた声で説明してくれる。
「そ、そうみたいだね! とにかく始めよう。」
俺は木剣を構えた。
聖戦士のカート君の相手は〜騎士のクリス。
正統な剣技を視てみたいからだ。
魔法使いのトリス、聖女のアイリスは俺が対戦する。
一応‘風’魔法使えるからね!
トリスは〜火、水、風、土と、4つもの属性を使える。
俺は兎に角〜〜〜〜‘風刃’と‘鎌鼬’と木剣での‘斬撃’で捌き続けた。
風魔法の姿がまったく違うコトに互いに驚いた模擬戦だった!
聖女の魔法は特殊過ぎた。
光属性の攻撃魔法は光ならではの‘速さ’を持ち、集束範囲の拡狭が自在だった。
俺じゃなかったら喰らっていただろう!
ちょっと本気出し〜全部躱してやった♪
一応先生だからね!
後でクリスに怒られたケド。。。
(←大人気ないと)
午後は冒険者ギルドの訓練場を使用。
ギルド側で貸し切りにしてくれたからだ。
トリス君とアイリスさんはギルドから魔法使いを用意してもらった。
俺には教える知識がないからね!
最初は俺vsカート君、クリスvsダン君で模擬戦を。
互いにレクチャーを挟み、2vs2の模擬戦も行なってみた。
お茶休憩はタップリ摂らせてもらった。
言い換えれば、‘質疑応答・意見交換会’だ。
今までどんな修練・勉強をしてきたのか知りたかったのだよ!
ダン君達は俺達にダリル戦の話を訊いてきた。
明日は山へ入る事を告げ、ダン君達には‘必要な装備’を揃える様指示を出して本日終了。
ちなみに日帰り用で4人分が条件だ。
(←ポーターなし)
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(昼休憩の一幕)
ダン君達は4人で向かい合い、会話をしながら昼食をとっていた。
「リュウさんって、不思議なヒトだよな。
技術的とかじゃなく………解かんないケド、強い!」
ダンが話を切り出す。
「そうだよ、僕の魔法〜全部当てられたよ!
やったと思ったら‘剣圧’で相殺するし。」
トリスがうなだれる。
「アレが‘オリジナル’の凄さってコトかな?
トリスの風魔法とは全く違ったよな。」
「速さも凄いです!
私のフェイントも全て避けられました………。」
カートとアイリスも感想を述べる。
「とにかく〜今までの教官達とは全然違うよね。
‘お爺ちゃん達’と似たよな感じがするよ!」
「これから愉しみだなっ♪」
あっという間に昼食の時間が終わってしまった。
リュウは‘バイク乗り’でした。
動体視力、バランス感覚、反射速度、状況判断など〜下地が揃っています。
神様から貰った身体と能力に見事‘噛み合った’結果の強さです。
魔物相手のこの世界では‘現実的な強さ’こそが重要なのです。




