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ヒーローズジャーニー  作者: 村瀬博秋
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日常

新緑も深みを増し、新たな生活も動き出す。

そんな春は今年も私の元に訪れた。


3年前、あの人に出会わなければ

今の私は居なかったでしょう。


私の名はリナ。

当時、私は28歳。

結婚して旦那さんはいたが子供はいない。

仕事は卸売の会社の営業事務。


いたって普通と言えばいいのか、世間的には

何不自由のない家に産まれ、それなりの幸せな生活を

送れていたんだと思う。


そんな私に変化が訪れたのは私が高校生の頃。


最初は些細な違和感からだった。

それが次第に明らかな異常を感じるまでに変わっていったのに、さほど時間はかからなかった。


母親に連れられ病院に行き、そこで告げられた病名は‥


【うつ病】と【パーソナリティ障害】


症状としては希死念慮が酷く、ベッドから起き上がれず、何も出来てません。

次第に

「こんな人間ダメすぎる。。

 なにもしたくない。。消えてしまいたい。」


そう思うようになった。



そんな症状と付き合いながら私は成人し就職し

そして結婚した。


今思えば、なんで私は結婚したのだろう?

もしかすると結婚すれば状況が何か変わるかもしれないと思っていたのかもしれない。


しかし、皮肉と言うべきか当たり前と呼ぶべきか

何も好転などするはずもなかった。



そして、誤魔化し誤魔化し生き続け

ここまで来たのだが、ついに耐えられず

休職することとなった。



どこかで分かっていた‥

見ないフリをしていた‥


休職したって治るわけないという事実を‥



休職の間も辛く苦しい日々は続き

時には自分自身の身体を傷つけることもあった。


心療内科に通ってはいたが

カウンセリングはしてくれるものの

あとは薬を処方するだけで特別なことは

なにもなかった。



そんな毎日が続いた、ある日

その時はやってきた。


分かっていた。

このままで終わるわけないと感じていた。


心療内科の先生から言われたのは

「そろそろ復職しますか」


正直、状況は何も変わってはいなかった。

でも、いつまでも休職とはいかず

半分、止むを得ずの復職の運びとなったのだ。



それが拍車をかけたのか、私の心が弱いだけなのか

復職が決まってからの私は、ますます苦しくなった。


「私は、もうこの世界に必要ないのかな?」

「私は、生まれて来なければ良かったのかな?」


辛く苦しく、涙が溢れて止まらなかった‥



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