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異世界出会い系・齋藤《サイト》  作者:
異世界出会い系サイト
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土地神・魔法・昂る感情



 ロフトが祭壇の木屋に戻ると少女は少しばかり驚いた顔を見せた。


「何かありましたか?」


「いえ、何でもないのです」


「あーそうですか」


 少しの間の後、少女が口を開く。


「……左の出口には行かなかったのですか?」


「ん?ああ、見てきましたよ」


「……」


 少女はそれだけ聞くと黙ってしまったので全く質問の意図が掴めず、ロフトは困惑してしまう。


「えーと後、護身用に借りてたナイフ汚れちゃったんですけど」


 そういって小剣を腰から取り出す。

 血に濡れたその剣を見て少女の目が丸くなる。


「魔物に襲われたのですか?」


「魔物?たぶんそうだと思います。三メートル位の蛇でした」


「それは大蛇オウキですね」


「オウキ?」


「貴方が戦った蛇を私たちはそう呼んでるのです。蟒蛇様の眷族で狂暴な魔物です」


「そうなんですか……あーそれでそいつは殺しちゃったんですけどまずかったりしますかね?」


 森の神様の眷族と聞いて動揺が走る。

 もしかしたら殺したらまずかったのかもしれない。

 しかし、ロフトの懸念は無駄だったようで少女は殺した事よりも殺せたことを驚いて尋ねてきた。


大蛇オウキを殺したのですか?貴方一人で?」


「いや偶然、奇跡的に勝てたようなものですけど」


「そう、なのですか……だとしても強いのですね普通の人間ならあった瞬間に殺されてますよ」


「あーそうですよね」


 思い返せばいつ死んでいても可笑しく無かった。

 どうやら、自分の思った以上に悪運は強いみたいだ。

 いやそれ以上に思い返せば身体の調子がやけによかった気がする。

 最所の敵の攻撃も普段の自分なら避けられる筈がない。

 だと言うのに後ろへ咄嗟に跳躍する事が出来た。

 明らかに転移後の身体能力が向上している。


 これが所謂、異世界チートって奴なのかと一瞬そんなアホな考えが頭を過るがだとしたら、微妙過ぎる。

 身体能力が上がったと言っても常識の枠の中に納まっている程度だし。

 異世界に来たことで補正みたいのはあるようだが、現状を打開出来る程のものではない。


「それで逃げないのですか?貴方、死にますよ?」


 少女が突き放すように冷たく言い放つ。

 一回目と違ってかなり明確に拒絶の意志がこもっていた。


「あーもう少し考えます」


 苦笑いを浮かべながら回答を延ばす。

 まだ直ぐには決められない。割りきれない。決断できない。

 いつだって流されて生きてきた自分が強い人間ではない事はロフト自身が一番良く理解していた。


「はあ、馬鹿なのですね貴方は」


 少女の辛辣な言葉にロフトは苦笑いを浮かべる他無かった。


「ははは、思った以上に辛辣ですね……。あの少し聞きたいんですけど良いですか?」


「……どうぞ」


 何処か苛立ったように少女は答える。

 何か気に触ったのかもしれないが生憎女性との絡みは少ないので理由を察せられる程女性の心理なんて理解出来ない。


「蟒蛇様ってのは30メートル位の蛇であってますか?」


「見たのですか?」


「ああはい」


「なら……理解しているものかと思いましたけど、あれは人が勝てる相手ではないのです」


 呆れた眼差しで此方を見る少女。


「いや、まあそうでしょうね……けど、昔戦いを挑んだ人とかはいないんですか?」


 少女は少し考え込み、口を開いた。


「かつて、先祖が何度か挑んだそうです……」


「方法は?」


「だいたいは長距離からの弓と魔法による物量攻めを行っていたらしいです」


「確かにあの巨体相手に近づいて攻撃しようにも有効打に欠けるか……って待って下さい。魔法って今言いましたか?」


「はい。言いましたけど」


 平然と答えるがロフトにとっては衝撃の事実であった。

 考えてみれば異世界出会い系サイトによって飛ばされたなら質問の時に答えた中世魔法文明型に検索は絞られていても可笑しくない。


「どんな魔法が使えるか見せて貰ったり出来ます?」


「やはり、魔法も知らないのですね……良いですよどうせ、明日までは暇なので。と言っても私は風と水の二属性しか使えないですけど」


 少女は手を広げ、手のひら上に竜巻を巻き起こす。


「わ、凄っ」


「こんなのはエルフなら誰でも出来るのです」


 少女はふふんと鼻を鳴らす。

 ロフトが驚いた事に気を良くしたのか少女は薄い胸を膨らませる。


「いや、此方の人は凄いですね。他にどんなの出来るんですか?」


 生み出した竜巻を霧散させ、今度は水を手のひらで浮かす。


「風と水魔法の合成なのです。室内でやるとしたらこのぐらいが限界です。やろうと思えば石くらいなら頑張れば両断することが出来るのです」


 そう言いながら、少女は手のひらで水を自在に変えていく。


「魔法についてはどれくらい知ってるのです?」


「ほとんど知らないですね」


「そうですか。私たちの魔法は簡単に言うと魔力を消費しすることで物質あるいは現象を創造、操作する奇跡の事を指します」


 他にも、と少女はすらすらと魔法について説明していてくれる。

 表情は相変わらず無表情のままであったが何となく今までの無気力な様子とは異なり、何処か楽しげに感じた。


 少女の話をまとめると、エルフの魔法には固有の名称がついておらず只の水の魔法、風の魔法と分類してあるだけのようで良く聞くファイアーボールだったり、サンダーと言った魔法名を叫ぶことも詠唱したこともしないようだ。


 また、魔力の総量は個体差がかなりあるらしいが誰でも基本的に体内に内包しているらしいが異界の人間がそれに当てはまるかは不明だ。


「それって俺も使えたり出来るって事ですかね?」


「魔力があるなら使えると思うのです……ちょっとしたコツとイメージが上手ければ魔法なんて発現するだけなら簡単なのです」


「コツって言うのは?」


 食い入るように尋ねる。

 魔法が使えると聞いて内心興奮が抑えきれない。


「自分の体内の魔力を感じとって外に吐き出す感じです。これが出来れば自分の得意系統の魔法に変換されるのです」


 思った以上に簡単な方法だ。

 難しい計算式であったり、詠唱の暗記が必要ないのでこれだけ聞くと魔法はかなり簡単に使えるようだ。

 まあ原理は良く分からないがそんな事はどうでもいいのだ。

 問題は自分の体内に魔力があるのかだ。

 普通に考えたら日本人が魔力なんて持っている筈がない。

 しかし、異世界に来てしまったのだからご都合主義でも何でもいいから魔法を使わせてくれと目を閉じ、集中する。


 魔力魔力魔力魔力魔力魔力魔力魔力魔力。


 しかし魔力を感じられない。

 俺にはやはり無いようだ。



 肩を落とすロフトを見て少女は呆れたようにため息を吐く。


「話を最後まで聞くのです。目を閉じて集中した気分になっても、それは気分だけなのです」


 段々、毒舌というか辛辣な口調になってきている気がしたけど言っていることは最もだ。

 あんなんで出来たら今頃日本じゃ魔法使いだらけになっている。

 先程までの自分を思い返して恥ずかしさが込み上げてくる。


「コツを掴むのに一人でやるの程非効率な事は無いのです。しょうがないので私が魔力を貴方に直接流し込むのでその感覚を掴むのです」


「ありがとうございます!」


 今日一番の元気の言い返事であった。

 期待してしまうのは男のサガと言うものだろう。


「手を出すのです」


 少女が手を差し出して来たので指示に従い意気揚々と少女の手を握る。

 少女は一瞬驚き頬を赤く染めたかと思うと直ぐに眉をひそめ手を弾く。


「っ……私から握るのです。貴方は手を出しておけば良いのです」


 つい気持ちが昂ってしまい、勢い良く手を握った事が癪に触ってしまったようだ。

 何処に少女の琴線があるのか分からないがみだりにボーディタッチはしないのが賢明だろう。


「ご、ごめんなさい」


「分かったなら良いのです」


 少女の白くほっそりとした手がロフトの指にからめられる。

 恋人繋ぎのようで少し気恥ずかしいが少女は先程の件で機嫌を損ねてしまっているので顔には出さないように頑張る。


「いきますよ」


「御願いします」


 言った直後、何かが流れてきているのを感じ取った。

 温かいふわふわした何か。この感覚を言葉にするのは非常に難しいが敢えて言うとなればお風呂で追い焚きをしたときに感じる温かいお湯のような感じだ。


「どう、です?」


「なんかあったかいのが伝わってくる。これが魔力ですか?」


「……たぶん」


 歯切りの悪い回答をする少女。


「感じ方は人によるのですよ……」


 苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながら呟く。

 魔力と言うものはそれだけ不明瞭な存在ということなのだろう。



 心地好い感覚を覚えながら、魔力が体内中を巡るのを認識していると身体が熱くなり過ぎていることに気付いた。


「あれなんか出そうっ」


 ロフトがそう叫んだ瞬間、少女が慌てるように手を離す。


「や、や、」


「や?」


「やり過ぎたのです……」


「え?これ大丈夫なやつ?ちょっと待って抑えきれないんだけど大丈夫これ?これ?」


「まあ、荒療治になってしまったのですが、良い経験なのです。その感覚のまま腕から押し出すのを意識するのです」


 少女に言われた通り腕を翳して手からこの正体不明の何かを押しだそうとするが、体内を巡り、別の方向から出そうになる。


「え?あ?、こう?、あ、わかんない、あ、やば、」


 結果、大きな炎が口から溢れ出る。


「あっつ……くない」


「今のは魔力を流しすぎて体内の容量を超えたしまったのです。人間が魔力容量が少ない事を忘れていたのです」


「今のが魔法、なんですね?」


「ええ、感覚は掴めましたか?」


「えーと、」


 今度は口からで無く、手のひらから出してみようとするが上手くいかない。

 あれだけ感じていた魔力が一人では全く感じられない。


「あのもう一度お願いしていいですか?」


「も、もう一度なのですか……仕方ないのです」


 目を丸くし、動揺を露にする。

 何度も頼むのは失礼だったかもしれないと思ったが、どうやらもう一度してくれるようだ。


「申し訳ないです」


 その後、このやり取りを何度も何度も繰り返す事になる。

 次第に少女の口が悪くなっていくのを実感しながら頭をぺこぺこし続けていく。

 どれだけの時間が経ったのだろうか。

 ようやく、手のひらから火が出せるようになった。

 しかし、魔法が使えるようになった達成感よりは疲労感の方が強く、感動する気力もなく倒れ込む。


「全く、人間と言うものは情けないのです、これだけ時間がかかるなんて」


「面目次第もございません」


「次のステップに進むですよ」


「え?次があるの?」


 ようやく、出来たと思ったのにまだ続きがあったようだ。


「お前はまだ魔力を外に出せるようになっただけなのです。そんなの、はいはいしている赤ちゃんだって出来るのです。次は魔力の変換に方向性をもたせるのです。ここまで出来て魔法が使えると言えるのです」


 いつのまにか貴方からお前に格下げされているが、無様な醜態を散々晒したのだから仕方ない。


 魔力の変換に方向性を与える。

 つまり、先程までのは自分で創造するというよりは無意識の内の心象イメージを具現化していたにすぎないと云うことだ。


「水を出すイメージをしてみるのです。それが出来ないならまた、別の方法を話すのです」


 果たして第二段階のこの修行にどれだけの時間がかかるのか。

 一筋の汗が頬を伝う。

 気合いを入れ直し、魔力を放出する。


「えーと、水」


 水が出た。

 想像以上に簡単に出てしまって思考が止まる。

 少女もこの結果には驚いたようで赤い瞳を丸くしていた。


「驚いたのです、これは一回で成功するなんて」


「自分でも驚いてる」


「ですが、それなら話が早いのです。基本魔法を練習する際は水をイメージするのです。火はもう使ってはいけないですよ」


「何でだ??何でですか?」


 先程から敬語を使い忘れている事に気付き、慌てて取り繕うように敬語で言い直す。


「べつに……話しやすいしゃべり方で良いのです」


「あ、いや、、、じゃあそうさせてもらいます」


 考えたら少女の口調も最初と比べたら角がとれているし、話しやすい喋り方にさせてもらう事にした。


「良いのです。理由は火の魔法は昔から禁忌とされているからなのです。自然を一度で、一瞬で破壊する力なので昔から使用は禁止されているのです。まあ、そもそもエルフに火の適正がないのですけれど」


 確かにこんな森で囲まれた世界で火の魔法を日常的にでも使っていたら何処かで山火事にまで発展して取り返しのつかない事になるだろう。


「それに水が一番暴走した時にも危なくないのです」


「あー確かに」


 火なら火傷、風なら切創してしまう可能性がある半面、水なら濡れるだけで済む。


「これで私が教えられることはもうないのです。後は日々の練習を欠かさず行えば立派な魔法使いにでも為れるのですよ。まあ、お前にそんな才能は無さそうですけど」


「ははは、まあ使えればそれで満足だし」


「全く、人間って奴は向上心がないのです…………で、お前はいつ逃げるのです?」


「それは……」


 踏ん切りの使いロフトを見かねて少女はため息を吐き進言する。


「お前は早く逃げるのです。無駄に死ぬことはないのです」


「分かってはいるけど、もう少しだけここにいてもいいかな?えと、あれ、一人じゃ……暇でしょ?」


「私は別に一人で問題ないのです。昔から一人でしたし」


「そうなの?家族とかは?あ_」


 聞いてから後悔した。

 少女は最初、自分は身寄りがないって言っていたことを思い出した。


「家族は幼い頃に魔物に殺されて死んでるのです。それからはずっと一人だったのです。けど村の人は皆優しかったので寂しいとか思ったことはなかったのです」


 魔物に殺された。

 少女が平然と喋った言葉はロフトにとっては衝撃的なものであった。

 この世界ではそれが普通の事なのかもしれない。

 ロフトは話題を反らすように続けて質問する。


「エルフの村ってどんな村だったの?」


「別に普通の村でしたよ……」


「俺のいた世界にはエルフの村なんてないから絶対文化とか違うと思うけどな」


「……でも本当に話せることなんてないのですよ。自然の恵みに感謝し自由に日々生きてきただけなのです」


「自然の恵み? えーと、君は自分の村以外に出たことあるの?」


「無いのです」


「やっぱそうだよね。村って行っても少し離れれば文化も違うし全然暮らしって違うと思うよ」


 まず日本人は自然の恵みに感謝なんてしていない。したとしても農家くらいだろう。

 一応、形式としていただきます等はあるが本気で自然の恵みや農家の人に感謝している人は正直少ないだろう。

 その点彼女の様子からしてエルフは森の中で暮らしているようだし、自然と共に暮らすと言うものがどんなものなのか正直気になった。


「一応、本で外の世界の暮らしを読んだことはあるのです」


「うーん、本か。それなら……俺の国の話でもしていい?多分それ聞けば文化とか全然違うって理解してくれると思うし」


「まあ、少しだけですよ……」


 ロフトは少女の村の話を聞く前に自分の国の話を説明し始める事にした。

 こういうのは他人の話を聞く前に自分の事を語った方がどれだけ自分達二人の文化や環境が違うかも理解してくれるんじゃないかと考えたからだ。


 そんな狙いで話始めた訳だが、最初は疑わしそうにしていた少女だったが思いの外知的好奇心が強かったようで段々と体を前のめりにしながら興味深そうにロフトの話を聞き始めていた。

 その姿は最初に会った時の無表情とは違い、年相応の少女に見えた。


 少女とたわいもない話を続けていたそんな中、無意識に心の奥底で抑えていた感情が昂った。


「それで__」


 話していてふと沸き上がった感情。

 それが口から溢れそうになる。だから、不自然に話を途中で止めてしまう。


「ん?どうしたのです?」


 ロフトが急に喋るの止め、少女は不思議そうに小さく首を傾げる。


 口に出してはいけない言葉が喉まででかかった。

 それを何とか飲み込み、続けて少女になんて言えば良いのか分からず、口ごもってしまう。


「いや、あの……ちょっとまた、外に出てくるわ」


「はあ?何のです急に……まあ良いのです。そのまま帰ってくるなですよ」


 少女の言葉を背にしながら、祭殿を出て橋に寄り掛かる。



 たぎる心臓とは別に冷静な頭が状況を俯瞰する。


 俺は此処で何をしていたのだろうか。

 少女と関わって何をしたいのだろうか。


 自分の状況は何となく理解できている。

 異世界、それも森の奥に飛ばされた。

 元の世界に戻る手段は分からないが、この場から逃げ出して森で生活することも恐らく不可能じゃない。

 一応、大学時代には冒険会に属して無人島や山でサバイバル生活を過ごしてきているし、一番の問題だった火と水も魔法で生み出せる。

 森での生活を聞いた限り、森で強いとされる魔物もこの辺りではあの大蛇だけで此処から離れればそう多くないそうだし、木の上であれば魔物に狙われることもそう無いようだ。



 今の状況をまとめると少女が最初に言っていた通り、少女を見捨てて此処から逃げるのが一番賢かったようだ。


 けど、その賢い選択はもう選べない。

 そうなってしまったのは自分の決断の遅さが原因だ。

 数時間だけであったが話して少女の事を知ってしまった。



 出会って会話して触れあって人と人との関係が繋がってしまった相手を直ぐに見捨てられる程、自分は非情にはなりきれない。

 だから逃げる以外選択肢が無いというのにだらだらと未だに此処にいる。


 自分はどうしたいのだろうか?

 いや、分かっている。

 自分の気持ちなんだから一番良く分かっている。

 恥ずかしさや諦めからその言葉を口に出来ないだけだ。


 君を助けたい。

 そんな思いがあの時少女と話していてつい口に出てしまいそうだった。


 分かっている。

 俺にはヒーローになれるほどの力はないし、自己犠牲の精神も持ち合わせてはいない。

 誰かの為に命を賭けるなんて事は出来ない。


 そんな無責任な希望を口にすることなんて出来ない。

 けど、俺は逃げることもしない。

 結局決断すら出来ず、何も動けない。何も成せない。何にも成れない。



 なんて中途半端な人間なんだろう。

 これが元の世界ならこれでも問題なかった。

 結局どっち付かずで考えを決められず、流されて流れに乗ったまま生きていくだけだ。

 別にそれでいいと思ってた。それで満足していた。


 けど、そんなのはもう嫌だ。と思った。


 ならどうするか?

 決まっている。決まっているからこそ辛い、怖い、苦しい。


 自分、少女、村の人。皆が助かる方法。

 それを実現するのに可能な選択肢は一つしかない。


 神を倒すのだ。


 どれだけ馬鹿げた事を今から為そうとしているのだろうか。

 冷静な頭が沸き上がる感情を抑え冷静に呟く。


 うるさい。

 そんなことを思う暇があるなら、考えろ。

 可能性のピースを繋ぎ合わせろ。

 不可能じゃないはずだ。そう願え。

 相手は神?違う。只のでかい蛇だ。


 ロフトは頭の中で背一杯の虚勢を張る。



しかし、ロフトはこの虚勢がどれ程弱いものか直ぐに知ることになった。


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