99 星喰いの怪物との戦いの様子
今日2回目の更新です(≧◡≦)累計6万PVになりました!多分次で完結です!
空中の映像は拡がり視界全てを覆った。まるで転移したように景色が変わった。だだっ広い草原が眼に写る。これが映像なのか?左から右に視線を移して後ろを振り向いておれは驚いた。
「こ、これは……?」
『これが世界樹の全貌だ』
おれの眼には超高層ビルといえるような巨大な木が見えた。ぱっと見の印象は桜の木のようだけど大きさが超高層ビルだ。木の根元には雑草のように緑が見えるが、あれは森だな。森が雑草のように見えるほど世界樹が巨大だったのか。ただ、森の中に数本は大きい木があるようで、森から飛び出しているようだ。
「すごく大きいんですね」
『そうだ。これからはじまる。世界樹を見ろ』
フルーレティがそういうと、世界樹の横に広がる空の色が変わっていく。青紫色の滲みが広がったと思ったらそれが黒くなっていった。そして、真っ黒になった時耳が壊れる程の轟音と共に世界樹の半分も有るような巨大な龍が現れた。あれが星喰いか?
龍は力を失っているようで空中に現れた瞬間から落下しはじめ、程なくして地面に墜落した。轟音と衝撃波があたりを蹂躙しているなか、世界樹から墜落した龍に向けてレーザーのような光が照射された。
その瞬間、空が急に厚い雲に覆われたかと思うと極太の雷が龍に向けて落ちた。更に龍が居る地上に龍を覆うように魔法陣が現れると、魔法陣から青みがかった白い炎が空に登り龍を焼いた。熱が空の熱い雲を全てかき消した。更に龍の頭上にまたも龍を覆う程の魔法陣が現れ無数の竜巻が龍を切り刻んでいった。
龍は地面に崩れた形だったが、何かに掴まれたかのように空中に浮かんだ。空中に浮かんだ龍は未だその原型を留めており、焼かれ切り刻まれた表面は徐々に元に戻っていく。
空中にて止まった龍に向け、全方位から巨大な氷の槍が突き刺さった。龍は胴体を動かし氷の槍を抜こうとするが抜けないようだ。龍の動きは鈍くなってきて動きが少なくなったがまだ死んではいないようだ。龍の上空に先程までの槍よりも更に大きい氷の槍が現れた。氷の槍は黒く変色した。あの色と雰囲気は消滅の呪いか?その黒い巨大な氷の槍が龍の身体に突き刺さった。龍は口とその身体に刻まれた傷から黒い煙を出しながら縮小していく。消滅の呪いが効いているんだろうな。龍は胴体をくねらせ暴れた。最後のあがきのようだ。すると龍に刺さった黒い氷の槍にヒビが入り欠片が1つ落ちて世界樹の近くにあった森からは飛び抜けて大きな木にぶつかった。
縮小していく龍が空中を引きずられるように、龍が現れた空間の黒い穴の前に運ばれた。そして投げ捨てられたかのように龍は穴の奥に飛ばされた。
龍が穴の奥に姿を消すと、映像は宇宙から地球を眺めるようなものに変わった。これは地球ではなくリゲルなんだろう。宇宙の彼方まで伸びている線が見える。リゲルを中心に宇宙規模の魔法陣が出来ている。この魔法陣の線を通ってこの星に力が集まっているようだ。
それを理解すると視点はまた世界樹を一望出来る位置に戻った。空から複数の光の線が伸びてきて世界樹の根元に繋がった。世界樹の幹が光っている。これって、世界樹が魔力特性結合している状態か。その世界樹の頂から空中の穴に向けて光が注ぎ込まれた。
『長いから飛ばすが、これは3日間続いた』
うん。3日間見ているのは無理だ。
映像がまた変わって、空中の黒い穴が消えていく様子が見えた。終わったようだ。
『今見せたのが異世界からの侵食を防いだ時の様子だ』
映像が変わった。フルーレティが金髪エルフのもとに駆け寄る姿が見えた。
『彼女は聖女フローラだ』




