94 世界樹へ
転移で弟子の館の割り振られた部屋に戻ってきた。
「おかえり」
部屋に戻るとミゲルさんが居た。
「あ、師匠。もうお話は終わってたんですね」
「ああ、ついさっきね。リョーマ君の部屋に来ても誰も居なかったからここで待たせてもらったよ」
「すみません。トロンハの冒険者ギルドのポーションの補充してからリョーマに魂魄保護ポーションの作り方を教えてきたんです」
「え?リョーマ君は魂魄保護ポーション作れなかったのかい?」
「師匠、リョーマは私のとこに手伝いに来はじめてまだ20日位しか経ってないんですよ?」
「たしかミゲルさんにも中級ポーションまで作れると言ったと思いますよ?」
「う、そうだったか?」
「師匠も異世界のお菓子に気を取られてたんじゃないですか?」
イリスがジト目でミゲルさんを見ている。
「ハハハ……」
前にイリスが師匠もお菓子が好きと言ってたけど本当だったのか……
「……まずいな、師匠に紹介するのは魂魄保護ポーションを作れるようになってからと決まっているんだ……」
「あ、やっぱりそうだったんですね。大丈夫ですよ。さっき教えたらリョーマったらいきなり魂魄保護ポーションの作成に成功しちゃったんですよ」
「そうかっ!それは良かった。イリス良くやった。リョーマ君も優秀だな!魂魄保護ポーションはどんなに優秀でも1回で成功させるなんてことは聞いたことはないぞ!」
……ミゲルさんがあからさまに助かったという顔をしている。……大丈夫なのか?
「とりあえず良かったよ。もう少しで世界樹から迎えが来るからね」
「え!そうなんですか。リョーマ良かったわね」
「ほら、もう迎えが来たみたいだ」
ミゲルさんが窓から外を指さしてそう言った。外を見てみると若いエルフの女性2人が館に向かって歩いて来ていた。
「じゃ、下にいこうか」
おれ達が下に着くとマッツさんが玄関の扉を開いていた。そして中に先程のエルフが入ってきた。双子なのかな?2人は全く同じ外見だ。
「よろしく頼むよ。この2人が僕の弟子だ」
ミゲルさんがそういうと、2人は左右に別れて進んで2人でおれ達を挟むようにたった。
「「では、皆様をフルーレティ様の元に転送します。」」
そういうとおれ達3人を囲むように魔法陣が拡がって足下に振動を感じたと思ったら景色が変わっていた。
まるで大聖堂のような空間で体育館4つ分位有りそうな場所だ。ここが世界樹なのか?
「「ようこそ、世界樹へ。マスター、ミゲル様達をお連れしました」」
「ご苦労さま」




