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90 変身ポーション

 おれは神域薬術研究所のミゲルさんの研究室に戻ってきた。


「戻りました」


「リョーマ君お帰り。天文学の書籍は購入出来たかい?」


「はい、購入してきました。今は異空間収納に入れています」


 おれはブレスレットから1冊の本とリゲルの服を取り出して、本はミゲルさんに渡した。


「こういう本をたくさん買ってきました。それと服を着替えますね」


「わかった。ソファーの奥のスペースで着替えてくれ」


 おれはソファーの奥のスペースでさっとリゲルの服に着替えてソファーに戻った。


「リョーマ君、この本はニホンの言葉で書かれているんだね。残念ながら僕には読めないな」


「ええ、日本語ですからね。ミゲルさんは文字翻訳のスキルか魔道具は持ってないんですか?」


「持ってないな。そもそもリゲルでは言語は1つだけだから不要なんだよ。文字翻訳のスキルオーブもたまに市場に出るけれど売れないからほとんどが廃棄か死蔵されているよ」


「なるほど」


 言語が一つだけなら需要が無いから出回らないんだな。


「じゃ、準備も出来たからエルフの里に行こうか。エルフの里はセレーサと呼ばれる地域にある。移動先は公衆浴場にしようか」


「公衆浴場ですか?」


「ああ、エルフの里で不特定多数が利用する施設といえば公衆浴場なんだよ。ここの湯は地面から吹き上がっていて身体にとても良いんだよ。だから人が集まる。名称は公衆浴場テルマレスだったな」


「わかりました。セレーサのエルフの里の公衆浴場テルマレスですね」


「そうだ。そしたら変身ポーションを飲もうか。使い方だが、変身ポーションは飲んだ直後にイメージした姿に変身出来るポーションだ。だから飲んだらすぐにエルフの姿をイメージするんだ」


 エルフの姿か、本屋のラノベコーナーでさっき見かけたけど女性エルフしか印刷されてなかったしなあ。男性エルフだと指輪の物語でしか見たことないな。


「あの、地球にはエルフが居ないので私はエルフを見たことがないんですが大丈夫ですかね?一応想像上の種族ということでイメージは出来るんですがリゲルの一般的なエルフと同じかどうかわからないです」


「それなら僕とイリスがエルフに変身するからその姿を参考にして変身してくれ」


「わかりました」


「じゃ、イリス変身しようか」


「はい、師匠」


 ミゲルさんとイリスは変身ポーションを飲んだ。するとミゲルさんは銀髪、イリスは金髪のエルフに変わった。耳はそんなにデフォルメされているわけではなく、上に伸びて尖っているタイプだ。指輪の物語のエルフのタイプだな。

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