9 異世界転移
おれはサラリーマンの仕事を終え、常宿にしているホテルにチェックインした。シングル素泊まりの年季の入った部屋にスーツケースを置いてしばし休憩。家から持ってきた1人用ハンディ炊飯器で米を炊きながらインスタントカレーを温める。米は大体0.5合、茶碗一杯分だ。1時間程で出来上がる。
この習慣は最近始めた。この方法は節約出来る。米0.5合で大体50円、インスタントカレーは1食分で100円なので夕食代が150円に抑えられるのだ。
それまでは、出張先の街で美味しいと言われる店を探して食べ歩いたり飲み屋の開拓をしていた。その結果飲みに行けば五千円はかかっていたし飲まなくても二千円は払っていたのだから劇的な節約になった。
そして、今日から副業をする。正直どれくらい稼げるかわからないけど、自分の才能を活かしてやりたいと思えることを出来ると考えると凄く楽しみだ。
とりあえず、ご飯が炊けるまでに風呂に入ってしまおう。そんでご飯食べて石原さんに挨拶してそこから別の世界に移動することになる。
あ、その前に嫁からの電話に出て愚痴きかなきゃな。
「よし、今日の予定は全て終わった。いくか。」
ホテルにチェックインして2時間後、そう呟いてホテルの部屋のドアの前に立った。
石原さんの部屋を思い出しながらホテルの部屋のドアを開けると何の問題も無く石原さんの部屋に繋がった。
「ようこそ神木さん。」
石原さんはそう言って微笑んだ。
「よろしくお願いします。これから行ってきます。」
「はい。転移の仕方は昨日お伝えした通りです。『リゲル トロンハ 薬術師イネスの店』と言ってからドアを開けてくださいね。」
「はい。では行ってきます。『リゲル トロンハ 薬術師イネスの店』」
おれはドア開いて足を踏み出した。




