89 準備
「エルフの里ですか。冒険者ギルドとか不特定多数が出入りする施設はありますか?」
「冒険者ギルドはないな。不特定多数が出入りする施設はあるが利用者はエルフだから人族である君がいきなり現れたら驚くだろうな」
「そうですか。ならエルフの里の外に放置された小屋とかがあれば利用出来るとは思いますが、心当たりは有りませんか?」
「小屋はエルフの狩人の物があるだろうが僕は正式な名称は知らない」
うーん、何かいいアイディアがないかと考えているとイリスがはっとした顔をして声を出した。
「いい考えがあります。変身ポーションを使用してエルフの姿で公共の施設に転移してから里を出て、姿を元に戻してから正式に里に入るというのはどうですか?」
「お、いいアイディアだ。それでいこうか。すぐに行くか?変身ポーションならあるからすぐに行けるぞ」
「そうですね。すぐに行った方がいいと思いますが、何か準備していった方が良くないですか?」
「ああ、そうだな。だが師匠はあまり食に興味はないぞ」
「……そうですか」
イリスがしょんぼりしている。またお菓子を食べたかったんだろう。
「フルーレティさんは何か好きなものとかは有りませんか?」
「そうだな、師匠は天文学に興味が有るようだったな」
天文学か……。自分は全くわからない分野だ。あ、でも本屋なら天文学関連の本はたくさんあるからそれを買って持っていくか。
「ミゲルさんありがとうございます。天文学について私は知識は有りませんが地球では研究されているので書物等を探して持っていきます」
「そうか。わかった。ならばリョーマ君が一旦元の世界に戻って天文学の書物を準備出来たら出発しようか」
「はい、師匠」
「すみません、よろしくお願いします」
おれは地球に転移するためにいったんイリスの店に作業部屋に戻り服を着替えた。リゲルの服はブレスレットに収納して地球に戻った。
今回地球からリゲルにはコンビニから移動していたからコンビニに戻ることになった。せっかくだからコンビニでまた持てるだけ商品を買って店から出たらこれもブレスレットに収納する。異空間収納めっちゃ便利だ。
走ってたタクシーを拾って大型書店に移動した。そして天文学の本のコーナーで目についた天文学、宇宙船、ロケット等の関連しそうな本をカウンターに持って行って全て購入した。多くなりすぎたので段ボールに入れてもらって台車に置いてもらった。台車で駐車場の隅に移動して人目につかないようにブレスレットに収納してから台車を店に戻した。
ふうー、とりあえず本は買えたな。ま、フルーレティがこの本を欲しがるかどうかはわからないがないよりは良いだろう。




