86 大師匠に説明
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数瞬置いておれは声を出した。
「その通りです。先に目的を言います。私はフルーレティさんのところに行きたい」
ミゲルさんはおれの言葉が予想外だったのか驚いている。少しして落ち着いたのかおれを見てミゲルさんが言った。
「驚いたよ。まさかフルーレティの名前が出てくるとはね。その名前はイリスからきいたのかい?」
「はい、イリスからも聞きました。ただ、正確には私からフルーレティという名前を知っているかと尋ねたのです。順を追って話していいですか?」
「ああ、頼むよ」
「ここ数年私の妻の体調が悪かったんですが、リゲルから呪いを受けている可能性が高いことがわかったので妻を鑑定しました。そして実際に呪いがかけられていることがわかりました。鑑定の結果では呪いは消滅の呪いで、呪い元にフルーレティと出ました」
「……消滅の呪い……フルーレティから……それは確かなのか?」
「はい、私は鑑定スキルレベル5です。この眼で確認しました」
「そうか……消滅の呪いには何らかの対応が出来るはずだがそれはしたのかい?」
「はい、その呪いにはイリスが作った魂魄保護ポーションを使用して対応しました。それで妻の体調は良くなったのですが、魂魄保護ポーションを使用した翌々日の朝、妻が消えてしまいました」
「消えた?魂魄保護ポーションが実際には効かずに消滅したということか?」
「いえ、協力者の魔道具で私の妻はリゲルに居ることがわかりました」
「この世界にか」
「はい。リゲルで私の妻と関係があるのは呪いをかけていたフルーレティさんだけなのでそこしか可能性がありません。イリスに聞くとフルーレティさんはイリスの大師匠だとのこと。そしてイリスの師匠ならば大師匠の居場所を知っているだろうと今回訪ねてきました」
「なるほど、話はわかった。しかし疑問がある。君の奥さんは何者なんだ?私が知る限り消滅の呪いはこの世界で1度しか使われていない。そしてその相手は人間では無いし何千年も昔の話だ」
「私の妻は人間です。ただ、鑑定した時に称号に元聖女と有りました」
「……そうか。君の奥さんは聖女の生まれ変わりということなんだな」
「はい、その可能性は高いと考えています」
「わかった、フルーレティの居場所を教える。いや、私もフルーレティのところに行こう。おそらく私が居なければフルーレティの場所までたどりつけない」
「そうなんですか?同行頂けるのは大変有難いです。ちなみにフルーレティさんはどこに?」
「師匠が居るのは世界樹だ」




