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84 神域薬術研究所

おれとイリスは歩いて神域薬術研究所の前まで来た。門番が2人いる。イリスが手前の門番に話しかけた。


「おはよう。私はミゲル・クロテッドの弟子のイリス・グレイシアよ。今日師匠に面会の約束があるんで取り次いでもらえる?」


「おはようございます。イリス様が来られるのは聞いております。そちらはリョーマさんですね。取り次ぎますのでこちらで少々お待ちを」


おれたちは門のなかに通された。イリスに応対した門番が奥の建物に入っていき白衣の女性を連れて戻ってきた。


「はじめまして私はカーラよ。あなたがイリスさんかしら?それでそちらがリョーマさん?」


「ええ、はじめまして私がイリスよ。イリスでいいわ。こっちがリョーマよ」


「リョーマです。同じく呼び捨てでお願いします」


「わかったわ。私もカーラでいいわ。よろしくね。ついてきて」


「ええ、よろしくね」


おれ達はカーラに案内され建物に入ってしばらく歩いて1つの扉の前で止まった。


「ここが所長の研究室よ。入りましょう」


カーラが扉を開けると広い実験室のような部屋がみえた。カーラについて奥に進んでいくとソファーセットが並ぶ区画があった。


「所長を連れてくるからここに座って待ってて」


「わかったわ」


少し待っているとカーラが男性を連れて来た。


「師匠、お久しぶりです」


イリスは立ち上がって挨拶をしたのでおれも立ち上がる。この人がミゲルさんか。イリスの師匠というからもう少し老けているかと思っていたがかなり若々しいな。


「おお、イリス、久しぶりだな。元気だったか?」


「はい。師匠も相変わらずお元気そうで何よりです」


「ハハハ、私はいつでも元気さ。そちらがリョーマ君かい?」


「はい、私がリョーマです。本日はご面会のお時間を頂きましてありがとうございます。よろしくお願いします」


イリスが敬語で話すくらいだからおれは取引先の人に会う時くらい丁寧に挨拶をした。


「ほう、イリスの弟子とは思えんくらい礼儀正しいな。知っていると思うが、私はミゲル・クロテッドだ。まあかけてくれたまえ」


おれたちはソファーに腰を下ろした。カーラは自分の役目はここまでと部屋を出て行った。


ミゲルさんとイリスは近況等について話して盛り上がっている。


「あ、そうだわ師匠、お土産があるわ。リョーマの地元のお菓子で凄く美味しいのよ」


「お、それはありがたい。リョーマくんありがとう」


「いえ、お口に合うかわかりませんがお試しください」


「師匠、ここのテーブルに出しますね」


イリスは魔法のバックから大きなコンビニ袋に入ったままのお菓子を取り出してテーブルに載せた。

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