83 風呂と歯磨き代わり
おれは宿の借りた部屋に帰ってきた。もう真っ暗だな。スマホのライトで部屋を照らして服を脱ぐ。ふうー、服を脱ぐとリラックス出来るな。
あー、風呂入ってないし歯磨きもしてないなあ。やっぱり地球のビジネスホテルとリゲルの宿だと勝手が違うからしょうがないかー。風呂は諦めるかなー。ん?いや、地球と違ってリゲルには魔法があるな。水魔法のクリーン使ってみようか。
おれはまずは試しに脱いだ服にクリーンをかけてみることにした。とりあえずたたんでテーブルの上に置いておいて、と
「水よ、おれの服から汚れを取り除け、クリーン」
詠唱するとかざしていた左手から水蒸気の塊がおれの服に飛んでいって服を包んだ。そして一瞬薄い青に光ると服だけが残った。服を触ってみるとさらさらしている。うん、問題無さそうだな。熱くも冷たくもなってない。これで熱くなってたりしたら人には使えないからね。
おれは自分に向けてクリーンを使ってみた。
「水よ、おれから汚れを取り除け、クリーン」
一瞬、薄い光に包まれてから爽やかな川に飛び込んだような感覚になった。うん、身体中から汚れが消えたことを感じる。口の中もさっぱりしている。なんとクリーンは歯磨きとしても使えるようだ。
クリーン凄くいい!この魔法を使えばいつでもさっぱりとして清潔でいられるな!
よし、身体も口もさっぱりしたから寝るか。
翌朝、おれは朝日とともに目覚めた。あ、カーテン閉めるの忘れてたな。けど爽やかな朝だ。とりあえず朝起きたら自分にクリーンをかけたからだ。
そしてロラさんが扉の向こうから朝食の準備が出来たという声がきこえたのでイリスを迎えに行って朝食を食べた。
「イリス、今日はよろしくね」
「ええ、フルーレティの居場所をしっかりと確認しなきゃね」
「うん、それと1つ報告があるんだけど、昨日の夜石原さんに魔法のバックが凄かったことを話したらこのバングルに異空間収納の機能をつけられるって言うからつけてもらったよ」
「え、そうなの?それは良かったわ!なら地球のお菓子やスイーツをたくさん持ってこられるわね!なんなら私のバックを貸してたくさん買ってきてもらおうと思っていたところだったのよ。あー、日本のお菓子はなんであんなに美味しいのよ?」
イリスはそんなことを考えていたのか……
「はは、あんまり食べ過ぎない方が良いよ?お菓子はカロリーが高いからね」
「カロリー?カロリーって何かしら?」
おれはカロリーが何かを説明して、7000kカロリーで脂肪1kgになることを教えた。
「わ、私少し運動することにするわ。ちょっと神域で採取してこようかしら」
一体どれだけ食べたんだ?
「イリス、今日はまずは師匠のミゲルさんに合ってフルーレティの居場所を教えてもらうんだからね」
「はっ、そうだったわね。運動はそれからね。じゃあそろそろ行きましょうか」
「うん、よろしくね」




