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82 異空間収納機能追加

「神木さんいらっしゃいませ」


「石原さんこんばんは。魔石を持ってきました。こちらをお願いします」


「はい、お預かりします。ソファーでお待ちください」


おれはソファーに座って待った。少しして石原さんが対面に座った。


「こちらが本日の魔石代です。本日は90万3千円です」


「ありがとうございます」


「あ、ところで神木さん、冒険者登録はされましたか?」


「はい、石原さんのおすすめでしたので冒険者登録をしました。それと水魔法のスキルがあったおかげでCランクになれましたよ」


「そうなんですね、それは良かったです。それに服装もかなりリゲルっぽくなってますね」


「あ、そうですね。この服はイリスに準備して貰いました。なんだかコスプレっぽいですよね」


「ふふっ、似合ってますよ。水魔法の方は使ってみましたか?」


「ええ、今日早速練習をはじめました。イリスの知り合いから使い方を教わってアイスアローまで使えるようになりました。それとさっきイリスの店で水魔法で大気中から集めた水でポーションを作ったら成功しましたよ」


「まあ、スキル成長が早いですね!おそらくポーション作成で魔力操作スキルが同時に鍛えられていたからでしょうか」


「なるほど、たしかに先日は意識を失うまでポーション作りましたからね」


「そうですね。とりあえず神木さんが自衛の手段を手に入れられたようでなによりです。もうリゲルの魔術師ですね」


「そんな感じに見えるなら良かったです。明日はイリスの師匠のミゲルさんに会えることになりましたので」


「そうですか。今の神木さんならリゲルの街を歩いていても違和感は無いと思いますよ」


石原さんは微笑みながらそう言った。


「あ、そういえばリゲルには魔法のバックなんて物も有るんですね。大きいコンビニ袋2つを入れても全く膨らまないし重くもならなかったんですよ」


「魔法のバックですか。便利ですよね。冒険者なら大きい素材を持ち帰るのに使ってますね。神木さんも冒険者になったのなら持っていた方が自然かもしれませんね。あれも魔道具なのでお作り出来ますよ?もしくは登録証に異空間収納の機能をつけることも出来ますね」


「え?冒険者は結構持っているんですか?というか石原さん作れるんですか?しかもこのブレスレットに?」


「はい。魔法のバックは高位の冒険者なら一人一つ、中位ならパーティーで1つは持っていますね。それに収納リングというものもありますし、稀にですが他の装備に異空間収納の機能があるものが有るのでブレスレットにその機能があっても珍しい位でないわけではないですね」


「それならこのブレスレットに機能追加をお願い出来ますか?出来れば持ち物は少ない方が助かりますんで」


「承知しました。費用負担は100万円になりますがよろしいですか?」


おれは財布の中を確認して10万円を取り出した。


「はい。そしたら先程の90万円とこの10万円でお願いします」


「わかりました。ではバングルを貸してください」


おれはバングルを外して石原さんに渡した。石原さんは棚から箱を1つ取り出してソファーに戻ってきた。箱から出したのは紫のスキルオーブだった。


「これは異空間収納のスキルオーブです。空間魔法系のスキルオーブは紫なんですよ。では、バングルに機能追加しますね」


石原さんは以前文字翻訳機能をバングルに追加した時と同じようにバングルを左手、スキルオーブを右手に持って顔の前でその2つを10cm位の距離に近づけた。紫のスキルオーブから紫の丸い光が出てきてバングルに吸い込まれていった。


「はい。出来ました」


おれは石原さんからバングルを受け取って使い方の説明を受けてから宿の部屋に戻った。

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