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67 失踪

おれは石原さんの部屋から自宅の玄関に移動した。とりあえず靴を脱いでリビングを通って寝室に入って行く。あれ?美玲が居ない?


「美玲?」


シーン。あれ?


「はいっ!!」


「うわっ!」


背後から驚かされたみたいだ。


「みれいー!何してんの!?驚いただろ」


「ごめんなさい。怖くて隠れてたんだよ」


ん?なんか怖いことがあったのか?


「何かあったの?」


「あのね涼馬さん。さっき少しうたた寝しちゃったんだけどその時に夢を見たの。山ぐらい物凄く大きいモンスターが居て、そのモンスターに周りのみんなで魔法の攻撃をしてるんだけど全然効果ないの。凄く怖かった。夢はそこで終わったんだけど、そしたら急に誰かがこっちに向かってくる足音がきこえたからドアの影に隠れたんだよ。そしたら涼馬さんが入ってきて美玲って呼ぶから安心して返事したんだよ」


あ、なるほど。納得した。


「そっか。怖がらせちゃったね」


「うん。でもいいの、私も隠れてたとこから急に返事して驚かせちゃったからおあいこだね」


「うん、そうだね。あ、今日買った贈り物は全員に渡せたよ。みんな喜んでたよ」


「良かったー」


それから今日の贈り物のそれぞれの反応を美玲に話して寝ることにした。



翌朝、おれは朝日で目を覚ました。今日は晴れだなー。


「美玲おはよー」


シーン。あれ?もう起きてリビングかな?リビングに行っても居ない。コンビニにでも行ったのか?


「パパおはよー」


「おはようだにゃ」


龍翔と梨央がリビングに入ってきた。


「龍翔、梨央おはよう!美玲はコンビニとか行ったのか?」


「ん?知らないよ?」


「梨央も知らないにゃー」


「うーん、玄関見てみるか」


おれ達は玄関に行ってみた。


「ママの靴あるね」


出かけていない?


「おかしいな。電話してみよう」


おれはスマホで美玲に電話をかける。すると寝室で着信音が流れている。梨央が寝室に走って行った。


「ママのスマホが有るけどママが居ない……にゃ」


「パパ、ママが出かける時に必ず持っているバッグも財布もあるよ」


その後おれ達は家の中、家の周り、近所を探し回ったが美玲は見つからなかった。


誘拐?おれが寝ている横で?ありえないな。まるで神隠しだ。転移したみたいに消えてしまった。どういうことだ?転移したのか?どこに?リゲル?わからない。


おれ達は警察に捜索願いを出して待つことにした。そして、日曜日だけどおれは上司に電話して明日からしばらく有給休暇を取る事を伝えた。そして、その日は結局美玲は現れなかった。

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