66 聖女
「……石原さん、説明ありがとうございます」
今聖女が呪いを引き受けて亡くなったって言ったよな……。聖女って……。
「私の妻を鑑定した時に元聖女という称号が有りました……、ということは私の妻は前世にてフルーレティの仲間の聖女だったと言うことになりますか……?」
「そうでしたか。消滅の呪いを受けた聖女は1人だけです。おそらくはそういうことになります」
「そうですか……わかりました」
おれは正直混乱している。わかりましたとか言ったがわかってない。
異世界からの侵食、フルーレティがこの世界を守った、聖女が呪いを一身に集めて死んだ……そして、美玲がその聖女の生まれ変わり。
この話が全部事実ならおれはどうすればいい?考えるか。
まずは目標を見失わないことが大事だな。おれの最大の目標は呪いから美玲を守ることだ。現状はイリスのポーションで美玲は元気になっている。問題は、これから送られてくる呪いだな。
頭が働いてきたな。要はこれからの対応について考えるのが大事なことだ。情報量に混乱していたということか。やることは変わらないな。
ただ、新たにわかったことがある。消滅の呪いは聖女だけじゃなくて異世界の星を食った生命体にもかかっている。フルーレティが呪いの解除をしたとしたらその星食いへの呪いも解除されるということだな。その星食いは消滅したのか?すでに消滅したなら解除になんの問題も無いだろう。消滅してないなら解除は難しいんだろうな。その時は対処療法の継続か。
あとは消滅の呪いを受けながらも魂魄が消滅しないで地球に転生ってするのか?という疑問だな。きいてみよう。
「石原さん、ちなみにその星を食べた生命体は消滅したのかどうかはわかりますか?」
「申し訳ありません。別の世界グループなので確認することが出来ません」
「そうですか。あと、消滅の呪いを受けた聖女が転生しているのは変だと思うのですがどうですか?」
「そうですね。実は私もそこに引っ掛かりを感じています。通常ならば魂魄が消滅したら転生は起こらないと思います。まだ何か明らかになっていない部分は有りそうですね。やはり1度フルーレティにお会いして話をきいてみるのが良さそうですね」
「はい、そうですね。わかりました。今日も色々と教えていただきましてありがとうございました」
「いえいえ、お気になさらないでください、ところで今日は魔石の買取はどうしますか?」
あ、忘れてた。おれは布袋を取り出して買取してもらった。今日は約70万円だった。




