62 転移の実験
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「うん、その前にこれ返しておくね」
おれはイリスに準備してもらったポーション一式が入っている鞄をイリスに渡した。
「あら、それは念の為あなたが持っていていいのよ」
「え!?これおれが持っていていいの?」
「薬術師が通りかかった時に手持ちのポーションが無くて助けられる人を助けられないのはつらいからね。ま、魂魄保護ポーションはそうそう使うことはないだろうけど一応補充しておこうかしらね」
「イリスありがとう。金貨100枚は天引きにしてくれ」
「ふふっ、リョーマは相変わらず律儀ね。いいのよそれは。もともとミレイへの呪いは私の師匠の師匠がかけたものだから呪いの問題は身内の問題になったわ。迷惑をかけている側が迷惑をかけられている側からお金をもらうなんておかしいわ。だから気にしなくていいのよ」
たしかに……。てかその理論だとおれも加害者の身内になるね。まあ、おれが呪いの対処に全力を尽くすのに変わりはないけどね。
「あ、ちなみにその鞄は魔道具でね、鮮度維持が可能なのよ。一人前の薬術師ならそういう鞄を持っているものよ」
「え、この鞄も魔道具だったのか。それならポーションも気にせずに持ち歩けるね。大事に使うよ」
「ええ。じゃ、実験しましょ」
イリスは早く実験したいのね。
「わかった。そしたらとりあえずはここのドアからエドアルドの店に行ってみようか。エドアルドにも贈り物が有るからね」
「わかったわ。ちなみに私も一緒に移動出来るのかしら?」
「うーん、どうかな?前に石原さんの後に続いて石原さんの部屋からリゲルに転移したことがあるから出来るかもしれないな。それも実験だね。とりあえず、おれがこの扉を開いたらおれと一緒にイリスもついてきてみて」
「わかったわ」
「じゃ、行くよ」
おれはイリスの店の扉を開けてエドアルドの店に入った。イリスはいないな。転移はおれだけしか出来ないみたいだ。そんなことを考えていると、エドアルドの店の扉を開けてイリスがやってきた。
「私は一緒には移動出来ないみたいね。一緒に移動出来るなら私も久しぶりに師匠に会えるかと思ったけど無理そうで残念だわ」
「そうだね、イリスが着いてきてくれたらおれも助かったんだけどな」
「ま、師匠宛に手紙を書いてリョーマに届けてもらうわ。そしたら師匠にも会いやすいでしょう」
「うん、お願いするよ」
「おいおい、店の入口で何をくっちゃべってんだ?用が有るならもっと奥に入ってこいよ」
話をしているとエドアルドがそう声をかけてきた。




