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60 師匠の師匠

「イリス、おれの妻、あ、おれの妻の名前は美玲っていうんだけど、美玲にかけられていた呪いについて話していいかな?」


おれは1個目のバームクーヘンを食べ終えて2個目を食べようか悩んでいるイリスにたずねた。


「ええ、それはききたいと思っていたわ。リョーマの奥さんはミレイっていうのね。いい名前だわ」


「ありがとう。昨日美玲を鑑定して、呪いが消滅の呪いってわかったんだ。それでイリスが準備してくれた下級魔力ポーションと魂魄保護ポーションを使った」


「ええ!?消滅の呪いだったの!?」


「うん、消滅の呪いだったのは間違いないよ。魂魄保護ポーションも効いたみたいだったしね」


「そう。魂魄保護ポーションは本当にもしもの可能性のために入れておいたけど……、作っておいて良かったわ。けど、消滅の呪いがかけられているなんて……。ち、ちなみに呪い元はわかったの?」


「うん、呪い元はリゲルのフルーレティって名前だということがわかったよ。けど、おれはこの世界のことをなんにも知らなくて、もしイリスが知ってたら教えて貰いたかったんだ」


イリスをみると驚いて固まったような顔をしていたた。知っているのかな?


「リョーマ、フルーレティっていうのは、私の師匠の師匠よ」


え!?イリスの師匠の師匠なの!?え、それじゃおれの師匠の師匠の師匠なのかよっ……。ん?なら逆に話もつけやすいのかな?


「イリスの師匠の師匠ってことは会ったことあるの?」


「私は無いわ」


「そっか、てか美玲の呪いの元がおれの師匠の師匠の師匠だなんてな。ま、でも情報収集がはかどるからいいかな」


「そうね、私はフルーレティの居場所を知らないけど、私の師匠なら知っていると思うわ」


「そっか。ならイリスの師匠を訪ねてフルーレティの居場所を教えてもらうよ」


うん、行動方針が決まった。


「ええ、そうね。私の師匠はアヤ山地という場所に居るわ。そこで薬術研究をしているわ」


アヤ山地、山地っていう位だから山なんだろうけどどんなとこなんだろ?


「アヤ山地は神の住む山と呼ばれて居るわ。ポーションの素材として最高の素材がある場所よ」


なるほど、ポーションの素材が有るから近くで研究をしているのか。


「研究所が有るの?」


「ええ、そんなに大きくはないけど堅牢な建物が有るわ。神域薬術研究所と名乗ってるわね」


「なるほど、そこに行けばイリスの師匠に会えるんだね。準備しなきゃだな」


「そうね。でもアヤ山地は馬車を乗り継げば6ヶ月かかるわ。専用の馬車を準備出来たら3ヶ月よ。リョーマは異世界に帰れなくなってしまうけど大丈夫?」


あ、それは大丈夫だな。

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