57 状態:健康
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魂魄保護ポーションの蓋をあけて美玲に渡した。
「はい、これも1本全部飲んでね」
「ありがとう、飲むね」
美玲はおれから受け取った魂魄保護ポーションを口に運んだ。
美玲の喉がコクッと鳴った直後、美玲の身体が青白い煙のような光に包まれた。さらにその光は薄い虹色に変わりながら美玲の身体の周りを覆うように半径1m位の球体になった。すると、美玲の左側の腰と太ももから黒い煙が出てきてその球体の中でまるで分解されているように消えていった。黒い煙が無くなると、虹色の球体は美玲の身体に沿うように形が変わって、最後は美玲の身体に張り付くようになって一瞬強く光って消えていった。
「美玲、どう?」
「うーん、体調はさっきのですっごく良くなったから変わらないかなー。ただ心が凄く軽くなったように感じるよ。清々しいって感じかな?」
呪いが払われた影響かな?なんにせよ清々しいのはいいことだね。とりあえず美玲の状態を確認してみるか。
「美玲、多分呪いと魔力欠乏は治ったと思うんだけど確かめてみるね」
「うん、お願いします」
おれは鑑定を美玲に使った。
名前:神木 美玲
年齢:35
性別:女
状態:健康
職業:主婦
才能:
称号:元聖女
うん、状態から魔力欠乏中と呪い抵抗中が消えて状態:健康になっている!成功だ!
「美玲、今確かめてみたけど魔力欠乏と呪い抵抗が消えているよ!」
「やったーー!これからは今までみたいにだるくなったり頭とか足が痛くなったりしないんだね!」
「そうだね!あ、いやまだ美玲を呪っている奴が生きているからまた呪いは来るか。次はそいつを何とかしないとイタチごっこになっちゃうかな」
「そっかー」
「ま、しばらくは魂魄保護ポーションで抵抗力があがっているから問題ないだろうし、下級魔力ポーションならおれも作れるからね。情報収集してみるよ。あ、ちなみになんだけど何か呪われる心当たりってある?」
「えー?異世界でしょ?ないよ?行ったことなんてないもん」
「まあそうだよね。あ、そう言えばその呪いって美玲の前世でかけられたっぽいんだよ」
「え!?前世でかけられた呪いなの?前世ってあるの?」
「うん、なんかあるらしいよ、びっくりだよね」
「そうだね……。あれ?ということは私は前世では涼馬さんが副業している世界に住んでたってことなんだね」
「そういう事だね。まあだからおれが向こうの世界で情報収集も出来るってことなんだ。さっき飲んでもらった魂魄保護ポーションの副作用に稀に前世の記憶を思い出すってのがあるからもし何か思い出したら教えてね」
これは言っておかないとね。前世の記憶を思い出しても見たこともない風景とか場面だったら変な想像しちゃったなーなんて考えるだけで前世の記憶だなんて認識出来ないだろうからね。
「そっかー。わかったよ」
とりあえず、今日は美玲にかかっていた呪いに対処出来て相手もわかったんだ、美玲の体調も良くなったから一安心だな。
「じゃ、美玲、今日はもう寝ようか」
「はい、涼馬さん」
おれ達は仲良く布団に潜った。




