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54 妻に状況説明

「美玲、わかったぞ」


おれは美玲に鑑定結果を伝えた。


「涼馬さん、ありがとう。私、涼馬さんのお嫁さんで本当に良かったよ。じゃなかったらこんなに安心出来るわけない」


え?安心したの?なんでだ?


「えーと、ごめん、どういうこと?美玲が異世界のフルーレティっていう奴から呪われていることがわかったんだよ?」


美玲は首を縦に振ってこたえた。


「うん、そうだね。でもね、私の体調が悪い原因がわかったことが嬉しいの。今まで色んな病院に通ったけどわからなかったのがずっと怖かった。涼馬さんが原因を突き止めてくれたんだ。涼馬さんじゃなかったら無理なことだったんだよ。私はそんな涼馬さんの奥さんなんだから安心出来るよ」


「そっか。美玲にそう思ってもらえておれも嬉しいよ」


「うん。涼馬さんは凄いよ!」


美玲はおれと思考回路が違うな。おれなら呪われているって言われたそのすぐ後に安心出来るなんて言えないな。でも、おれは美玲のそんなとこが好きなんだよな。おれは笑ってこう答えた。


「おれは美玲の思考方法の方が凄いと思うよ、なんというかポジティブすぎだろ」


「ふふ、涼馬さんと一緒だからだよ」


美玲も笑ってそう返してくれた。美玲と話をしていると心が軽くなるな。

こんな美玲のためなら借金だってなんだって出来る。つもり積もってちょっと生活に支障が出るとこまで借金してしまってたけど……。お借り入れは計画的に~っていうのはちゃんと守らないと待っているのは破滅の道だった。結果として家族を危険に晒していたんだからおれは大した人間じゃない。

けれど石原さんとイリス、リゲルのおかげで借金も完済出来て生活の心配は無くなった。当面の問題は美玲の呪いについてだ。なんとかしてみせるぞ。


「よし!それじゃ呪いに対処していこうか」


「え!?涼馬さん対処も出来るの?調べるだけだったはずだよね?」


あ、そういえば美玲には調べるってしか言ってなかったな。


「うん。ごめん言ってなかったね。おれが副業している異世界の薬術師の師匠に相談したら呪い対策の薬を準備してくれたんだ。だから呪いの対処も出来ると思う!」


「凄い!師匠に御礼言わないとだね!」


「そうだね、でも美玲に呪いをかけている奴は異世界でまだ生きているみたいだから今出来るのは一時的な対処になってしまう。呪いの相手は、おれが副業に行っているリゲルっていう世界にいるから仕上げは向こうで相手に呪いをやめさせる必要がある。おれがなんとかやめさせるからね!」


「涼馬さん、無理はしなくていいよ。私は涼馬さんが危険な目に遭ったら嫌だからね」


「うん、わかっているよ。危ないことはしないつもりだよ。呪いを仕掛けてきている相手の名前がわかったんだから向こうでまずは情報を集めてみる。」


「わかった。けど、本当に無理はしないでね」


「うん。じゃ、とりあえずここで出来る呪いの対処をしちゃおう」

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