5 異世界と魔法
え...。
この人、なんでまだグイグイくるの?てか証拠に見学に行くって...。そんなん無理でしょ?
はっ!もしかして違う世界っておれをなんらかの方法で洗脳して、違う世界に来たと思い込ませるってことだったりしないか?!そして、魔法っていうのは洗脳の際になにか幻覚を見ちゃうようなマジックなキノコとかそういうのを食べさせるための偽装の提案か!?それなら有り得るな。こんなにドン引きしている様子から逃げられる事を察して強引な手段をとることを考え始めたということか。ということは、この話には絶対に乗っては行けない...。もう、成功がどうこうでノリがどうこうの話じゃないな。なんとしても逃げよう!
と、こんなことを考えていると。
「神木さん、こちらへ。」
と、石原さんがドアに手をかけた。あのドアはおれが開けようとしても開かなかった扉だ。おれは開けられ無かったけどなんらかの仕掛けで石原さんには開けられるようだ。それなら扉が開いた瞬間に逃げ出す!
石原さんが扉を半分まで開いた。今だ!おれは全力で駆け出した。そして、ちょうど開かれた扉から部屋を抜け出した!
やった!出られた!後はここから出来るだけ離れるっ!
しかし、頭を上げて前を向いたおれの眼に見えたのは、だだっ広い草原だった.....。
「もう、神木さんはあんなに信用してないとか色々言ってたのに、実は私の話に興味津々で早く別の世界にいきたかったんですね。」
そんなことを言う石原さんの声が聴こえた。
おれはさっきまでホテルの部屋に居たはずなのに。ここどこ??草原??え?別の世界?
本当だったのか?えーーー!別の世界なの?
「あ、あの、石原さん...。ここは何処ですか?ホテルの中には見えないんですが...。」
おれがそう言うと、石原さんはクスっと笑い
「それはそうですよ。ここは地球とは別の世界のリゲルという世界です。異世界ともいいますね。ここの環境は極めて地球に似ていますので、地球人も問題なく過ごせます。何か体調に変化は有りますか?」
「いえ...。体調は特に変わらないです...。」
「そうですか、では別の世界には来ましたので、次に魔法を見て頂きましょう。神木さんは魔法について疑っていた様子だったので、地球の科学技術では再現が難しいものを披露します。」
石原さんが右手を斜め上に伸ばした。すると、手の延長線上の空に雲が発生し急激に成長し積乱雲が現れた。そして、石原さんが腕を振り下ろすと、積乱雲の真下に極太の雷が落ちた。俺たちからは1km位の距離だったが、物凄い爆音と衝撃波が発生した。
「今のが魔法です。種類は、雷の上級魔法です。危険な魔法なんですけども、コントロールには自信が有りますので、見て頂きました。魔法の存在も証明出来たと思いますがどうですか?」
「はひ...。」
腰が抜けて立てない。声も出ない。あんなこと、地球じゃ出来ないな。ま、魔法ってあったんですね...。




