43 コカトリス討伐隊出発
カランカラン
「こんにちわ!イリス今日もよろしくっ!
「あらリョーマ、今日は元気いっぱいなようね。何かいい事があったのかしら?」
「イリス、昨日の鑑定教本読んだよ。それでスキルレベルが5まで上がったんだ!」
「それは良かったわ。私が苦労して手に入れたんだから有効活用してもらわなきゃ困るわ。」
「そうだね。昨日あの後、石原さんにきいたんだけど、あの鑑定スキル教本は王族図書館クラスのものだったみたいだね。」
「あら?そうだったかしら?まあそんなことはどうでもいいわ。鑑定スキルレベル5なら呪いかどうか調べられるわね。しっかりと鑑定して来なさいな。」
「うん。イリスのおかげだよ。ありがとう!」
イリスがどこからあの教本を入手してくれたのかが気になるけどあまり触れて欲しく無さそうだ。
「ええ、いいのよ。気にしないで。あ、そうそう。話は変わるけど、今朝コカトリス討伐隊が出発したわ。冒険者達に毒消しポーションと石化治療ポーションが事前に配られたみたいよ。通常は症状が出てから支給されるポーションが事前に配られることで冒険者のモチベーションが上がったみたいね。石化治療ポーションを100本揃えられたことで冒険者を討伐隊として確保出来てギルドの株が上がったってギルド職員が感謝していたわ。」
おぉー。ついにコカトリス討伐隊が出発したのか。ポーション作成が間に合ってよかった。石化の呪いをかけてくる敵とか怖すぎるもんな。石化治療ポーションが確実にあるとわかっていればいくらかは積極的に動けるだろうな。間接的にでもこの街の役に立てたようでおれも嬉しいな。
「早ければ明日の朝には帰ってくる予定だそうよ。ケガをしてくる冒険者もいるだろうから、今日も下級治療ポーション多めで作ってね。昨日リョーマが作った下級治療ポーションもすでに冒険者ギルドに売れて無くなっているからね。」
そうか、毒と石化だけが問題ではないよな。偶然でも昨日は下級治療ポーションをたくさん作っててよかった。
「わかった。そしたら早速作るよ。」
「えぇ、よろしくね。」
おれは作業部屋で黙々とポーションを作成して、下級治療ポーション100本、下級魔力ポーション20本、一応の予備として毒消しポーションと石化治療ポーションを15本ずつ作った。後でイリスに聞くと、鮮度維持の魔道具なら長期間の保存が出来るから予備に石化治療ポーションと毒消しポーションはあった方がいいとの事だったので問題は無さそうだ。
今日はこれだけポーションを作ってイリスから金貨2枚を貰って魔石を購入して石原さんの部屋に向かった。




