40 輪廻転生がある
「いらっしゃいませ神木さん。」
おれが石原さんの部屋に入ると声をかけてくれた。
「今日はこちらをお願いします。」
おれは石原さんに銀貨60枚分の魔石を渡した。
「はい、今準備しますね。」
石原さんはいつもの通り重さを測って計算して現金を封筒に入れている。
「こちらが本日の報酬になります。今日は60万円5千円ですね。」
「ありがとうございます。それと今日も相談があるんですがいいですか?」
「はい、私に答えられることなら。」
ニコリとそういってくれた。
「実は私の妻の体調が悪んですが、先日イリスの店で作った薬を飲んだ後しばらく体調が良くなってまた悪くなったんです。このことをイリスに相談したら魔力欠乏じゃないかと。それでもしかしたら呪いの影響があるんじゃないかと推測してもらったんです。地球で呪いを受けて抵抗するために魔力を消費してしまうってことがありますか?」
まずは地球での呪いの影響について相談した。すると石原さんはすぐに返事をくれた。
「はい。技術として成り立っているものは極僅かですが地球でも呪いは実際に存在しますね。ただ、呪いへの抵抗のため魔力欠乏させるような、呪いが魔力によって伝達されるようなものは現在残っていないと思います。」
ということは地球の呪いでは魔力欠乏は起こらないから美玲は呪われてはいないということか。
「ただ、そのような呪いを地球で受ける可能性はあります。それは地球での呪いではなく、地球とは別の世界からの呪いを受けている場合です。」
別の世界からの呪い?なんで?可能性はもしかしたらあるかも知れないけど、実際異世界の何者かと美玲には一切呪われるような関係はない。あったとしたら人違いか何かだ。
「妻は異世界と関係を持ったことは無いのでその可能性は薄いと思うのですが。」
「えぇ、そうですね。ただ、もしかしたらの話なのですが神木さんの奥様の過去世において、何らかの縁がある何者かが放った呪いが今世の奥様に届いているということが考えられます。」
え?それは輪廻転生があるってことか?というか輪廻転生があったとして生まれ変わった相手を呪うってなに??次元を超えたストーカーか!?
「あの、一応確認しますが輪廻転生はあるということでした??」
「はい、ありますよ。」
あー、石原さんにとってこれはあっさり有るって言っちゃう位の事なんだね。はい、自分の認識不足を反省します。
え?ということは本当にストーカーの可能性があるのか!?




