34 コカトリス
おれは下級治療ポーション30本と下級魔力ポーション5本作ってからイリスに話しかけた。
「そういえば、さっきは冒険者ギルドに買い出しに行ったってきいたけどなにかあったの?」
「えぇ、今朝近くの森で冒険者にコカトリスが目撃されたの。」
えっ、コカトリスっていうと地球では伝説の蛇だよね。たしか毒を吐くとか石化の視線とかの危険なイメージだけど、こっちではどうなんだろ?
「コカトリスってのはかなり厄介な魔物でね、毒は吐くし、視線で敵を石化させる力が有るのよ。」
うわー、そのまんま危険なやつだ……。
「で、その目撃した冒険者はかなりの数のコカトリスが居たと言っているの。それで冒険者ギルドでコカトリス討伐隊がつくられることになったわ。なので近々石化治療ポーションの需要が増える見込みになったから、討伐隊の人数やコカトリスのおおよその数についてきき出して必要な素材を仕入れてきたわ。」
大量のコカトリスって……。この世界は危険がいっぱいなんだね。と、言うことは
「そう、ご察しの通りリョーマには早速石化治療ポーションと毒消しポーションを作ってもらうわ。商売のチャンスよ!リョーマもたくさん稼げるわよ!」
「わかった!やってみるよ!」
まあ、稼げるチャンスということなら乗っていかないとな。まだまだおれの借金は残っているんだ!
「頼もしいわね!じゃあそれぞれ50本ずつは作ってね。出来れば100本ずつ有っても良いわね。」
え。100本ずつ??まじで?おれまだどっちも作ったことないんだよ?いきなりそんなにつくれるのか?
「なんか心配そうな顔になったわね。心配しなくても大丈夫よ。作り方は下級魔力ポーションと同じで使う素材が魔力草から毒消し草か岩崩し草にかえるだけよ。」
「わかったよ。何とかやってみるけど、何時までに作ればいい?」
「そうね、討伐隊はあさって出発するみたいだから明日までね。」
討伐隊は結構早く動くんだな。2日あれば作れるかな。さっき下級魔力ポーション作ったけど、慣れてきてわりと早く作れたしな。
「了解。そしたら早速作ってみようかな。とりあえず教本で作り方みてみるよ。」
「そうね。頼むわ。」
「あ、あともう1つ。おれ昨日エドアルドから魔石のおまけに未鑑定のスキルオーブを貰ったんだけど、石原さんに鑑定してもらったら鑑定のスキルオーブだったから早速鑑定のスキルを身につけたよ。」
「リョーマ!それ本当!?」
イリスが驚いている。
「うん。本当だよ。ラッキーだったよ。」
「リョーマあなた、それは物凄い幸運よ!鑑定のスキルオーブなんて購入しようとしたら金貨千枚よ!」
「え!そんなにするの!?」
「そうよ!商人なら誰でも欲しがっているレアスキルよ!」
鑑定スキルはかなり高価なようだ。




