31 鑑定スキル
令和元年、これからもよろしくお願いします(^^)
「では早速鑑定してみますね。」
石原さんはスキルオーブを目の前のデスクに置いてじっと見つめた。一瞬石原さんの瞳が動いたと思った。
「はい、鑑定終わりました。神木さん、良いものを貰いましたね。」
なんだろう、良いスキルオーブだったみたいだ。
「え!そうでしたか!?」
「はいこのスキルオーブは鑑定スキルのオーブでした。」
「鑑定って今石原さんがやってくれた鑑定ですか?」
「そうです。その鑑定です。鑑定はいいですよ。スキルレベルによりますが、対象物の種類や名称がわかります。スキルレベルが上がると人物であれば所有スキルがわかったりします。」
そ、それは凄くいい!おれは営業の仕事をしてるけど人の顔と名前を全然覚えられないんだ。髪型やメイクが変わると判別不可能になってしまう。けど、もしもこのスキルが有れば、そんな問題は無くなる!このスキル欲しい!
「い、石原さん!私、このスキルが欲しいです!何とかならないですか!?」
「神木さんが手に入れたスキルオーブなんで神木さんのものですよ。ただ、方法は2つ有ります。1つは先日の文字翻訳と同じくそのバングルに魔道具スキルとして登録することです。2つ目は神木さん自身がスキルとして獲得する方法です。私のおすすめは2つ目ですね。1つ目だと使用は簡便なのですが、スキルを成長させられません。2つ目は研鑽によってスキルレベルを上げていくことでより詳しい情報を得ることが出来るようになります。」
なるほど、方法が2つ有るのか。まあ、今回はもうどちらにするか決めた。
「石原さん、私は2つ目の方法で鑑定スキルを得たいと思います。」
「はい。わかりました。このスキルオーブを持ってください。そして魔力をスキルオーブに込めてください。そうするとこのスキルオーブから鑑定スキルを身に付けることが出来ます。やってみてください。」
「はい。やってみます。」
おれはスキルオーブに魔力を流し込んだ。するとスキルオーブを持っている感覚が消えて光が胸に向けて飛び込んできた。そして何かが身体に溶け込む感覚を感じた。
「おめでとうございます。神木さんもこれで鑑定スキルを身につけましたよ!試しにこの魔石に意識を集中して心の中で知りたいと強く思ってみてください。」
「わかりました。やってみます。」
おれは石原さんの言う通りにして知りたいと念じた。すると、魔石に重なるように
名称:黒魔石
と文字が浮かんできた。
「文字が浮かんできました。」
「おめでとうございます、鑑定スキルが成長すればもっと詳しい情報を得ることが出来るようになりますよ!」
うわー、嬉しい!これで現実世界で人の名前を間違えたりすることが無くなる!
「ありがとうございます。」
「神木さん、鑑定スキルはとても有用なスキルです。あらゆる場面で今後神木さんの役に立つと思いますので、是非大事に育ててください。」
「はい、わかりました。」
おれは石原さんにお礼を言って石原さんの部屋を出た。




