29 魔術師教本2で作れる薬
魔力ポーションを作って疲れたおれは作業台にうつ伏せになって休憩している。
「あら、リョーマ疲れちゃったみたいね。」
はい。めっちゃ疲れています。もう無理です。
「今日はもう無理っぽい。教本2の薬は明日からでいいかな?」
「ええ、その調子じゃ無理そうね。明日にしましょうか。」
「うん、それでお願いします。」
「じゃ、とりあえず魔術師教本2でも読んでたら?」
「そうしようかな。予習しとくよ。」
イリスが棚から教本2を持ってきてくれた。
「はい。じゃあ、私はカウンターに居るから。」
おれはイリスから教本2を受け取って中を開いた。目次をみると、教本2で作れる薬は以下の通りだった。
下級毒消しポーション
下級麻痺治療ポーション
下級石化治療ポーション
下級病気耐性ポーション
下級視力強化ポーション
下級聴力強化ポーション
下級臭覚強化ポーション
下級味覚強化ポーション
下級身体強化ポーション
下級痛み止め
うん。やっぱり異世界なんだなと思える薬のラインナップだった。毒消しとか麻痺治療、痛み止めはまだわかるけど、石化って何?身体が石になることがあるの?まあ、魔法がある世界だしな。現実に起こることのスケールが地球とは違うんだね。とりあえずこっちでは石化しないように気をつけよう。
あと、視力強化とか五感全般を強化出来るのは純粋に凄いな。もしかしたら視力強化したら視力があがってメガネとかコンタクトレンズが必要なくなったりするのかな?やっぱり異世界は楽しいな。
教本2を一通り読んでおれはイリスに声をかけた。
「イリス、おれ疲れもとれたし教本2も読んだから今日はそろそろ帰るよ。」
「わかったわ。そしたらこれが今日の分の報酬ね。下級治療ポーション30本と下級魔力ポーション5本で銀貨40枚ね。」
「ありがとう。下級魔力ポーションは1本銀貨2枚ってことね。」
「そうね。下級魔力ポーションは治療ポーションほどは必要ないから毎日平均5本ペースで良いわよ。明日からよろしくね。」
な、慣れたら平気になるんだよな……。
「わ、わかった。頑張るよ。」
おれはイリスから貰った銀貨を持ってエドアルドの道具屋に魔石を買いに行った。
「お、久しぶりだなリョーマ。今日は銀貨何枚分だ?」
「今日は40枚分でお願いします。」
「おう、わかった。ちょっとの待ってな。」
エドアルドが店の奥から魔石を持ってくる。銀貨40枚と引き換えに魔石を受け取った。
「リョーマ、これはおまけだ。いつも魔石を買ってくれるからな。」
エドアルドはこの前石原さんがバングルに文字翻訳の機能を追加してくれた時に使ったビー玉のような丸い石を持っていた。




