22 使用許可
ドアを開ける。
「こんばんは石原さん。今日も魔石を持ってきました。」
「はい、神木さん本日もお疲れ様でした。魔石をお預かりしますね。」
おれは魔石を石原さんに渡す。
「あら、今日は昨日よりも多いですね。助かります。では計算しますのでお待ちください。」
石原さんは魔石を箱のようなものの中に入れると、パソコンを少し見て現金を机の引き出しから取り出して封筒に入れたようだ。
「計算が終わりました。本日の報酬は80万6千円です。どうぞ。」
「はい、ありがとうございます。」
「今日はたくさんのポーションを作ったんですね。」
「実は明日と明後日はポーション作成を休もうと思っているので、その分を含めて作ってきたんです。」
「なるほど、そういうことなんですね。何かご予定があるんですか?」
「いえ、予定という程のことは無いんですけど、明日は自宅に帰るので家族と外食に行こうかなと考えてます。」
「そういえば、神木さんは月曜から木曜日までは出張でホテル暮らしでしたね。」
「ええ。そうなんですよ。なので家にいる時位は家族の時間を作らないとなあ、と思いまして。それにこの異世界の仕事のおかげでお金を貰えてるんで家族に美味しいものを食べさせてあげたくて。」
「そうですか。才能開花サービスがお役に立てているようで良かったです。」
「こんなに楽しくて報酬の良い仕事は他に無いでしょう。誘ってくれた石原さんには感謝しかないです。」
「喜んで頂けているようで幸いです。これからもサポートしますのでこれからもよろしくお願いしますね。」
「あ、そう言えば1つ質問があります。異世界からこの世界に物って持ち込んでも問題ありませんか?実は今日ポーション作成スキル1で作れる薬を作ったんですが、イリスに自分で使ってみてと言われて自分で作った薬を貰って来たんです。」
「はい。大丈夫ですよ。ただ、異世界の情報や技術を公にするのは控えて欲しいので、使うにしてもご自身か家族、特に信用出来る友人位までにとどめておいてください。」
確かにそうだな。今日持ってきた薬程度ならなんてことないだろうけど、異世界の情報やら技術が有ると知られればおれや関係者に危険が及ぶ可能性は高いな。まあ、異世界の事を言っても普通は頭がおかしくなったくらいにしか思われなさそうだけどな。
「わかりました。気をつけて使うようにしますね。」
「はい。お願いしますね。」




