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20 文字翻訳機能追加

ドアを開けると、石原さんはお茶を飲んでいたがカップをデスクに置いて挨拶をしてくれた。


「神木さんいらっしゃいませ。」


「石原さんこんばんは。今日も魔石を持ってきました。今日は昨日よりも少し多いですよ。」


おれは石原さんに袋のまま銀貨40枚分の魔石を渡した。


「まあ、それは素晴らしい。ではお預かりしますね。計算して報酬を準備しますので少しお待ちください。」


そう言われてからものの30秒程で準備が終わったようだ。


「はい。報酬の計算が終わりました。今回は40万円ピッタリです。どうぞ。」


「ありがとうございます。」


おれは封筒を受け取った。そして、文字のことをきいてみることにした。


「あと、石原さんに相談が有るんですが良いですか?」


「はい。何かありましたか?」


「実は、向こうの世界の文字が読めないんです。それでその事をイリスに言ったら石原さんが何とか出来ると言ってたので、何か方法があれば教えて頂きたいんです。」


「なるほど。それなら簡単に解決出来る方法が有りますよ。」


「是非教えてください。」


「わかりました。神木さんが腕に付けているバングル型の登録証に文字翻訳の機能を追加出来ます。この機能を追加しますと、どんな文字でも自身の認識出来る文字で読み書き出来るようになります。」


おおー。それは凄い機能だ!というか、どんな文字でも読み書き出来るようになるということは、地球の日本語以外の言葉でも可能なのか?


「凄いですね。もしかして、その機能って例えば英語を日本語で読むことも出来るということですか?」


「はい。ご察しの通り地球の言語にも対応しています。」


「是非その機能を追加してください!」


「可能ですが、機能の追加には費用をご負担頂くことになります。文字翻訳だと魔石なら500個、日本円なら50万円です。」


なんと、お金がかかるとは。ま、かかるか。むしろこのバングルをしていればどの言語でも読み書き出来るようになると考えれば破格の安さかも知れない。しかも、昨日の30万円と今日の40万円を合わせたら70万円だから、50万円で購入しても20万円は残る。しかもこの翻訳機能があればあの教本を読んで新しい薬を作れるようになって更に稼ぐことも出来るようになるんだから問題ないな。


「なるほど、それは必要経費ですね。でしたら先程の40万円と、この10万円でお願いします。」


おれは財布から10万円を取り出して、先程受け取った封筒と合わせて石原さんに渡した。


「承知致しました。では作業をしますので1度バングルをお貸しください。」


おれは腕からバングルを外して石原さんに渡した。

石原さんはデスクの下から小箱を取り出しデスクに置いた。そして小箱を開いて青いガラス玉のようなものを取り出した。石原さんはバングルを左手、ガラス玉を右手に持って顔の前でその2つを10cm位の距離に近づけた。そうすると、青いガラス玉から青くて丸い光が出てきてそれはバングルに吸い込まれていった。


「はい。出来ましたよ。どうぞ。」


「ありがとうございます。ところで今のは、石原さんのスキルなんですか?」


「はい。今のは魔道具作成というスキルを使いました。」


「石原さんは凄いスキルをおもちなんですね!」


「ありがとうございます。神木さんの才能も凄いですよ。是非その才能を伸ばしていってくださいね。

そう言って石原さんは微笑んだ。


「はい、異世界の文字を読めるようになったので、明日から自分もポーション作成のスキルを伸ばしていきます。」


「頑張ってくださいね。」


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