18 影
夢を見た。なんか凄い夢だった気がするんだけど全然覚えてない。ま、夢ってこんなもんだね。
と、いうわけで今日もサラリーマンの仕事を頑張ります。午前は特約店との販促会議だし気合い入れなきゃだね。その後は書類仕事してから自社製品ユーザーの昼休みに新製品の説明会。昼メシ食べてからはアポイント面会で自社製品の使用提案、問い合わせの対応、別のユーザーでの説明会の打ち合わせだ。今日もやることいっぱいだけどしっかりやりきります。
夜
今日も仕事したー。19時今日も昨日と同じホテルにチェックインした。部屋に入ってスーツから部屋着に着替える。スーツを脱ぐと肩が軽くなる。ふー、と息を吐いてベッドに仰向けに寝転がった。
ご飯の準備をしてご飯を食べた。食べ終わったら歯磨きをしてまたベッドに寝転がる。
そのまんまの体勢でしばらくすると、スマホに着信があった。
『もしもし。どしたー?』
『今日MRIするって言ったでしょ?私ヤバいわ。なんかよくわかんない影が腰から左足の太ももにかけて写ってて、お医者さんからこういうのは初めて見たとか言われた。』
『え?何それ?大丈夫なの?』
『わかんないんだよ。とりあえずなんか写ってるんだけど、腫瘍とかじゃないの。黒い影が腰にあるの。MRIの故障かも知れないんだけどね。なんかそれ見たら怖くなったよ。』
『ちなみに実際見た感じ何か変なとことかあるの?』
『いや、それは無いかな。いつも通りだよ。』
『そっかー。なんか謎な感じだね。もし急に痛くなったりしたらすぐに病院行くか救急車呼んだりするんだよー。』
『わかったー。はー、涼馬さんが近くに居たらなあ。』
『ごめんね。おれも近くに居たいんだよー。』
『うん。わかってるよー。今日もこれからお仕事?』
『うん。今日も稼いでくるよ!』
『無理しないでね。本業の仕事もあるんだからね。』
『おっけ。まあ、ほんとに大変じゃ無いから大丈夫だよー。』
『ならいいんだけど、私のせいでお金使ってしまっているからね。』
『気にしない気にしない。良い副業も見つけたからこれまで行ってなかった病院にも行って良いよ!』
『えー。そしたら眼科に行って新しいコンタクト作っちゃおうかなー。』
『全然良いよ!コンタクトも必要だよ!』
『ありがとう。てかそんなにお金に余裕が出来るほどお給料貰えたの?』
『あれ?言ってなかったっけ?昨日30万円貰ったんだよ!』
『!まぢか!?聞いてないよ!』
『ありゃ。ごめんごめん。しかもこれから毎日これくらい稼げちゃう予定だよ。計算したらこのお仕事で年収1億円超えちゃう感じ。』
『す、凄いね。』
『お、もうそろそろ行く時間かな。とりあえず何も気にせずに病院行って良いからね!今日も稼いでくるから!』
『わかった。そしたらまた相談して来るね。』
『うん。徹底的に調べちゃって!じゃあ行ってくるね!また明日ねー。』
『うん。行ってらっしゃい!またね!』
おれは、ベッドから起き上がり靴を履いて異世界へのドアを開いた。




