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14 異世界ではじめての報酬

「とりあえずこれでリョーマもポーション作成のスキルを獲得したと思うわ。あとは、薬術の本を読んで勉強しなさい。」


イリスは棚に並べている本を1冊取り出しておれに渡した。


「それは、薬術師ポーション作成教本1よ。それにはポーション作成スキルレベル1で作れるポーションの作り方が書いてあるわ。」


ポーションの作り方マニュアルか。こういうのあると助かるな。てか、レベル1ということは2とか3も有るんだなきっと。


「そ、リョーマが思っているとおりレベル2以上のポーションが有るってことよ。レベル2のポーションを作成するためにはその教本に書かれているポーションを全部作れるようになればスキルレベルが2になるから、教本2のポーションを作れるようになるから頑張ってね。」


そうやってスキルレベルを上げていくのか。なんか楽しそうで良いな。


「わかりました。頑張ってレベルを上げてみます。」


「ま、ポーション作成の基本はこれで終わりね。リョーマがポーション作ってくれたら私が買い取ってこの店で売るからよろしくね。下級治療ポーションなら日に30本位動くからそれぐらい作ってくれると助かるわ。あ、アヤからきいてると思うけど、1本銀貨1枚ね

。」


「はい、きいてますよ。是非よろしくお願いします。」


下級治療ポーション1本で銀貨1枚、銀貨1枚で魔石10個、魔石10個で1万円だから、下級治療ポーション30個で30万円。30本作れたら毎日30万円!って月に900万円か!?え、年収にしたら1億円を超えちゃうよ?


「ち、ちなみに下級治療ポーション1本を銀貨1枚で購入して問題は無いんですか?」


「うちは、お客には1本銀貨5枚で売るから問題ないわ。」


うわー。5倍の値段か。それなら問題ないね。


「わかりました。ちなみにおれは貰った銀貨で魔石を買いたいんですが、道具屋さんは近くに有りますか?」


「道具屋ならこの店の正面にあるわよ。魔石も売ってるわ。行きたいなら連れて行ってあげるけど、今日の分の下級治療ポーションの残り29本を作ってからね。そしたら銀貨30枚渡すからそれを持って道具屋に行ったらいいでしょ。」


「そうですね。そしたらそれでお願いします。」


「うん。じゃあちゃっちゃと作っちゃいなさい。」


「了解しました。」


おれは先程の手順を思い出しながら、残り29本を1時間程で作った。ポーションの瓶に魔力水を入れて、薬草に魔力を流して特性粒を作って、特性粒を魔力水に溶かして、蓋をしめる。この作業を29回繰り返しただけだ。


「出来た!29本終わりましたー!」


カウンターに出ていたイリスにそう呼びかけると、作業部屋にイリスが入ってきて出来たポーションを確認した。


「うん。全部ちゃんと下級治療ポーションになっているわ。お疲れ様。じゃ、これが報酬の銀貨30枚よ。」


そう言ってイリスは革袋をおれに渡した。これに銀貨30枚入れてるんだな。


「ありがとう。」


おれは異世界で初めての報酬を手に入れた。

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