12 ポーション作成とは
「説明するわよ。ポーションっていうのは、簡単に言うと薬草とかの素材の持つ特性を水に溶かすことで作られているの。で、例えばこの薬草だけど、この薬草は傷を癒すっていう特性があるわ。この特性っていうのは本来この薬草自身が傷ついた時に薬草の持つ魔力を消費して発揮されるものよ。それは、薬草の魔力と特性が結びついた時だけってことね。だからこのままこの薬草を食べたからって人間の傷を癒すことは出来ないの。だけど、それを出来るようにする方法がある。それがポーション作成ね。」
ほうほう、薬草をそのまま食べても傷は癒せないのか。まあ確かに薬草からしたら自分の傷を癒す力さえ有ればいいし、わざわざ自分を食べた相手の傷が治ることなんて考えて進化したりはしないわな。いや、むしろ自分を食べようなんて相手には毒でも盛ってやりたい位だろう。
「ポーション作成は、その素材が持っている特性と自分の魔力を結びつけて必要な時にその特性が発揮出来るようにするってことね。この特性と魔力結びつけることを魔力特性結合させるって言うわ。そして、魔力特性結合させると、魔力と結合された特性は寄り集まって微細な粒になるの。この粒は、結合することになった魔力を含む液体に対してとても溶けやすくなるわ。だから容器に水を準備しておいてそこに自身の魔力を含んでおけば、そこに魔力特性結合した粒をとかしこめるってわけよ。で、そうやって作られたのがさっきのポーションね。」
なるほど、魔力とか特性が話の中心だけど、かなり化学っぽい話だな。おれは37歳のおっさんだけど、大学は化学系を卒業したんだ。理解は出来るな。ま、大学で勉強した化学の知識はほとんど残ってないけどね。
あれ、でもこの話だと魔力を流し込めば特性と結合させられるんだからポーション作成の才能は要らなくないか?
「質問いいですか?いまの説明だと、ポーション作成の才能が無くてもポーションが作れそうだと思うんだけど。何か違いが有るんですか?」
「お、いい所に気がついたわね。そうね。厳密に言うとポーション作成のスキルが無くてもポーションは作れるわ。ただし効率がかなり違うわ。その差は人によるけど大体1万倍位違うかな。」
お、そんなに違いがあるってことは何か有るんだな。
「ポーション作成のスキルを持っていると、特性と魔力の結合力が圧倒的に高いの。だから魔力特性結合が素早く行えるってわけね。」
なるほど、そういうことか。
「だから、魔力操作とポーション作成のスキルを持っているとポーション作るのには圧倒的に有利だし、持ってなきゃ現実的に作れないわね。」
そうか。まだ才能の欠片だけど、ポーション作成のスキルを取得すれば大分有利に稼げるようになるってことだな。やる気がさらに湧いてきた。




