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1 お仕事しませんか?

なんでこうなったのか。



銀行カードローン二社目の借入が天井の百万を迎えてしまった。一社目も二百万円の天井に張り付いて長い。

今月はついにクレジットカードキャッシングを使った。なんとか今月のカードの支払いは乗り越えられたが、来月はどうなるかわからない。

いや、わからないというかわかりたくない。一度計算してしまえばすぐに詰んでいるのがわかってしまうはずだ。



もう、クレジットカードの支払日にバタバタとお金をかき集める日常から抜け出したい。


なにかお金を手に入れる方法は無いのかと、本やネットの情報を漁って得た情報はまだ何も活用出来てない。だって、動画サイトへの動画投稿とかブログでアフィリエイトとか転売とかいまいちどうやればいいのかわからない。


とりあえず、それぞれのアプリをダウンロードしてアカウント作ったところで止まっている。やり方を説明しているサイトや動画をよく見るんだけど、なんかうまく形に出来ない。



とりあえず、来月からのクレジットカードの支払いはリボ払いにしないと払えないな。前にリボ払いの恐ろしさをネットで知ってからこれだけは手を出さなかったのに、と悲しくなりながらスマホでリボの申請をしたのは今日の昼だった。まあ、これで来月の支払い日にバタバタはしなくていいと思うと心は軽くなっていた。


けど、これでいいのか?

いや、良くない!今おれは破滅の道を進んでいる。なんとかしないとヤバい。


思い悩んでいると女性に声をかけられた。


「すみません。ATM終わったのなら次いいですか?」


自分がコンビニのATM前に立ち続けていたことに気がついてとっさに謝った。

「あ、ごめんなさい…」

ATMの前をよけて奥の手洗いの位置に入った。

女性はATMを操作しはじめて、こちらを気にすることなく大量の紙幣を引き出して去っていった。


はあー。あんな若いこがあんなにお金持ってるなんて羨ましいなと思いながら、手洗いの鏡に映る自分と去っていく女性の後ろ姿を眺めてから水道から水を出した。


「あのー、お金に困ってるならいい仕事紹介しましょうか?」

ビクっと反応して後ろを振り返ると、さっきの女性が居た。

え?今なんていった?仕事?なんで??

混乱しているともう一言


「どうします?」

どうします?へ?なにが?


「あの、仕事しますか?」

???この人、おれに仕事をするかどうかきいてるのか?急に後ろから声をかけられて驚いていたがそれはおさまり、次の仕事をするかときかれているこの状況が良くわからなくなっている。けど、何故か最近動画サイトで有名な成功者が言っていた、成功する人間の共通点はノリが良いというところだ、という言葉を思い出したのか、無意識に返事をしていた。


「はい。します。」


「そうですか。でしたら付いてきてください。」


なんか、本当にノリで返事しちゃったけど付いていくことになったみたいだ。足は自然に女性の後を追っている。まあ、たしかに今はお金に困っているのだから仕事には興味はある。でも何の仕事だ?てかこのままついて行ってしまっていいのか?ヤバいお仕事をさせられる可能性が高いような気がする。

急に怖くなってきて足を止めようとして気がついた。足が止まらない!てか声も出ない!何だこれ?!

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