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#1 エルフに転生しました。

 #1 エルフに転生しました。

 

 そんな訳で美少女エルフとして転生したのだが生活基盤は自分で構築しなければならない。

 普通の人生を過ごそうと考えるのなら当然収入はこの異世界でも必要である。

 更にはこの世界での名前も必要だ。


 名前自体はわりと直ぐに決まった。


 リルミア。


 生前、趣味で書いて小説投稿サイトに連載していた自作小説のヒロインの名前をそのまま使ったのである。


 転生してすぐに「エルフのリルミア」として正式に住民登録をやり直すと帝国政府とアクアフィールドの市役所から「転生者給付金」なるものが月に15万円相当の金額が1年間支給される事になった。

 しかしそれはその間に身の振り方を決めなさいという意味でもある。


 どうやらこの世界にはかなり多くの転生者がいるらしい。神殿で聞いた話ではこのラティス帝国の転生者だけでも地方自治体が一個作れるくらいの転生者人口があるという。

 


 リルミアは転生してから半年の間、エルフ特有の能力である豊富な魔力を有効活用するために精霊魔法を使えるよう必死に勉強をした。結果はその甲斐あってまだ初心者ではあるものの精霊魔法の使い手としての能力を手にする事ができた。


 精霊使いの能力がある程度の技量になったリルミアは転生者給付金が支給される1年の間、元々RPGやラノベが好きだった事もあってエルフの身体の持つ高い魔力を活かす為にこの世界の勉強や魔法以外にも武器の使い方も必要であろうしマスターしておこうと冒険者ギルドに行く事にした。


 とにかく転生者給付金があるうちに手に職をつけなければ「夢の普通の人生」は得られない。

 取り敢えずは手っ取り早く冒険者をしようと考えたがその場合は冒険者ギルドで新規登録をしなければならないらしい。


 リルミアはアクアフィールドの冒険者ギルドで「転生エルフのリルミア」として冒険者登録をしようとすると受付の若い女性にちょうど明日から冒険者ギルドで初心者向けの冒険者講座が始まるからそこで一通り学んでみてはどうかと勧められた。

 しかもこの国の首都であるラティスポリスからギルド長が来ていてベテラン冒険者も講師をしてくれるという。


 これはと思い詳しく話を聞いてみると剣や弓矢、各種魔法、銃器の詳しい取り扱い方を数人の高レベル冒険者がその得意分野で講師として教えてくれるのだそうだ。

 話を聞く限りやっておいて損は無さそうなので受講するための書類を書くとそれを提出した。


「冒険者登録はその時にやって講師の方にどんなクラスが向いているかアドバイスして頂くと良いかと思いますよ」

「確かに自分と相性のいいクラスで冒険者始められそうですね、そうしてみます、じゃあまた明日来ますのでよろしくお願いします」

「はい、お待ちしております」


 リルミアは受講料を支払うと取り敢えずの住処である自分が転生した神殿の空き部屋へと戻る事にした。


「うーん………いつまでも神殿にお世話になるわけにもいかないしアパートでも借りないとなあ」


 幸いこの世界の言語や生活する上での基本的な知識は転生時に記憶として貰えたからコミュニケーションには困らない。


 アクアフィールドの冒険者ギルドがある商業区画と娯楽区画の境目にある通りを歩いていると本屋の看板があるのに気がついた。


 看板には「アクアフィールド総合書店」とある。

 店はかなり大構えでアクアフィールドの街にある本屋の中でも一番大きいらしい。


「予備知識は必要だよね、やはり」


 リルミアは本屋に入ると冒険者向けの書籍のコーナーにまず行ってみる。

そして「冒険者になるには」とか「冒険者用武器図鑑」といった初心者向けそうなタイトルの本を何冊か買って帰路につく。


 帰る途中で夕飯にしようと小さな喫茶店に入る事にした。

 鶏肉のソテーに卵と玉ねぎのスープのセットを頼むと買ってきた本を開いた。


「ふーむ、RPGみたいにLv1からスタートする訳じゃないのか」


 ちなみに新規登録の冒険者の場合はその人物のこれまでの職業や経験によってスタート時のLvは変動する。


 例えば軍人や猟師、僧侶のように冒険者として活用できる経験が豊富な場合はそれが加算され、更に人生経験値や身体能力といった各能力値を総合した結果のLvが付与される。


 わかりやすく言えば冒険者ではなくてもそこらの冒険者より強い軍人や格闘家はいるし、それまでの経験次第で初登録の初心者でもそれまでの経験に比例した高めのLvが付くといった具合である。

 だからゲームのように冒険者登録したらLv1からスタートするという事はまずあり得ない。


「なるほど、日本にいた時の護身術がプラス要素になるかも」


 リルミア、いや生前の玲菜はその生い立ちから護身術を学んでいた。

 そして体術以外にも()()()()()使()()()やそのトレーニングの経験が豊富だったからそれが冒険者としても役に立つかもしれない。


 少なくとも玲菜としての生前の経験もある程度活用できそうに思われた。


 本を読んでいくと色々な冒険者クラスが存在する事がわかった。

 まず戦士系だと剣士、弓兵、射手、傭兵。

 魔法使い系は魔術師、精霊使い。

 あと僧侶。

 エリート系で魔法戦士。これには軍隊の魔法兵が含まれる。

 他には変わった所で「魔導機兵・魔導航空機パイロット/装甲車等運転手」というのがある。


魔導機兵というのはアニメやゲームで言ういわゆるリアルロボット系の人型兵器に相当する。

 大出力の魔法炉を搭載した身長18m程の機動兵器で現在の軍隊の装甲兵器の主力となっていて軍から払い下げられた魔導機兵や装甲車を使って魔導種と呼称される大型モンスターの討伐や隊商の護衛等の依頼を受ける冒険者は結構多いらしい。


 もっとも魔導機兵は20年前の世界大戦で大量投入された時の旧式機が多く軍隊の正式装備の機体も世界大戦による疲弊で数自体は多くないらしい。

 まあこれは現状では無理だ。


(それに私はリアルロボットを操縦できるようなにゅーたいぷじゃないし)


 微妙に感覚のズレているリルミアであった。


 取り敢えず今のリルミアが転生した時に付与されている能力はエルフらしくまずは精霊使い。それと剣士の能力だからこの辺はすぐにでも使えそうである。


 後は生前の玲菜が得意だったとある武器だがそれについてはちょっと気になる所ではある。

 とは言え現状のリルミアの知識と経験ではこれ以上考えても結論は出そうに無かった。


「ま、明日冒険者ギルドで講師に相談すればいいか」


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