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とある魔王の復活と転生された勇者の出会い

暗い神殿の奥底に、二人の女性が立ち会っている。

「勇者たちに封印されてから早1万年・・・ようやく復活したわ」

銀髪で碧眼、身長は小柄で髪の毛は長く地面まで伸びきっている。

神殿の窓から微かに月明りにより髪の毛が照らされている。

「復活を心よりお待ちしておりました」

金髪で紅い瞳。全身を覆うように黒いローブを身に纏っており、目の前の少女よりかは身長が高い。

黒いローブを身に纏っている女は、碧眼の少女に対して跪く。

「さて、お主・・・名は何と申す?」

「私の名前は、ビーチェ・クロニクルと申します。魔王ルシフェル様。今宵からあなた様の剣となり盾となる者です」

ビーチェは頭だけを上げて、魔王に忠誠を誓う。

「出迎え大儀である。それにしても、ククク・・・我がいないと知れてこの世はずいぶんと平穏じゃないか」

魔王は、自身の身体を見ながら呟く。

「今一度、世界を混沌に陥れてやろう」

「さすが魔王様です」

「前回の反省を生かして此度は我の敵となろう勇者たちを強制的に我の下僕としてくれるわ!この召喚魔法で!」

魔王は、勝ち誇るように言うと、自分が立っている真下に魔方陣を形成する。

「頑張ってください魔王様!」

「ああ、任せておけ。今一度、我の時代を堪能させてやるわ」

魔王は一呼吸をすると右手をかざした。そしたら、魔王の目の前に黒い穴が出現する。

「いでよ!我が最悪の敵にして最強の矛!勇者よ!我に力を授けたまえ!」

「うわぁあああああああああああああ落ちるぅうううううううううううううう!!」

穴の中から一人の男の子がまるで落ちるかのように出てきた。



「フハハハ!成功した!今再び我の天下来たれり!」

魔王は、神殿の天井を仰ぐように腕を伸ばす。

「さすが魔王様!我々を苦しめた勇者を従えるとは、一生ついて行きます!」

「何、我がちょちょいと本気を出せばこの程度、造作も・・・」

「魔王様」

黒いローブに身に纏っている少女はそこで声のトーンを落として魔王に話しかける。

「ん?どうしたビーチェ?今の我は気分が良い。何であるか申して見るが良い」

「それが、コイツ魔力定数0なんですよ・・・」

「・・・」

「・・・」

黒いローブを身に纏った女、ビーチェの言葉により二人の空間が凍ったかのように止まる。

「そそそ、そんなことある訳があるかー!こちとら封印された魔力を全部使い果たしたのよ!コイツが人類最強の勇者で無いというのはおかしい!」

「でも、魔力を測定した感じですと、まったくの魔力が無いんですよね・・・」

「・・・」

「・・・」

再びの沈黙。魔王は、ビーチェ達に背を向ける。

魔王の目の前にはベットらしき物があり、そこに行き横たわった。

「我、寝る」

「ちょ、魔王様!」

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