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第7話 友達として

「ショウ・・・これはお前の差し金か?」

「・・・違う」

「俺の目見て言えるか?」

「・・・僕は独り言を言っただけだ」

「何て・・・?」

「友達なら大丈夫な言い方だったな・・・って」

「・・・だからって、それをノムか???」



俺はそのまま目の前にある重箱に目を移した。

その向こう側には飛びっきりの笑顔を向けている青葉がちょこんとイスに座っている。

本来そこに座るべきナオトは非難とばかりにさっさと席を譲って見物モード。少しくらい抵抗してくれ・・・



「というわけなので、一緒にお弁当食べましょ♪」

「・・・何が『というわけ』なんだ?」

「まずは私の事をよく知ってもらえるように頑張る事にしました♪そして必ず敬幸先輩のハートをゲットなのです!」

軽くガッツポーズをしながら目の前にいる女の子はそうおっしゃった・・・

「・・・ということは?」

ショウも反応しなくてもいいのに・・・

「今はお友達で我慢します!」

なんだかどっと疲れた出てきたような気がする。

「・・・・・」

前に青葉にも言った事だが、俺には恋愛は出来ないと思っている。結果青葉を傷つけるだけだと思っているのだ。

俺は目の前で笑顔を向けている青葉に困り果ててどうするべきか隣にいるショウとナオトに目を向けて見る。二人ともうっすらと笑みのようなものを浮かべて見返してきた。それはもう『それくらい聞き入れてやれ。後悔する事になるぞ』と言っているようだった。お前等はお釈迦様か!と声を大にして問いかけたい!



「・・・・・もう好きにしろ」

「はい!好きにします♪」

「お前、なんかすごいな」

「ん?そうですか?ま、好きなんだからいいじゃないですか♪」

「それに思ったんだが、お前恥ずかしくないのか?そんな好き好きって・・」

「にゃはは☆」

青葉は少し頬を赤らめながらごまかすように笑っている。俺は少し癒された気がしたがもちろんそんな事は言わない。ただ呆れたような顔をしていた。



「というわけで、弁当タイムと行きましょうか♪」

「腹減った〜!」

「今日のおかずも凄いですね〜」

さっそく重箱の蓋を開け、今にも箸をのばそうとしているナオト、ショウ、そして今日も青葉と共にやって来た妹の沙織。

「ところで、お前ら・・・何勝手に食おうとしてるんだ?それ青葉のだろ」

「いいんですよ先輩! みんなで食べましょ♪ もちろん先輩もですよ? 今度こそちゃんと食べて貰いますからね♪(にっこり)」

「お、おぅ・・・」

その『また逃げたらどうなるか分かってますよね?』と言っている様な青葉の笑顔に俺はそう答えるしかなかった。

こうして、初めて5人一緒に食べる昼食が始まった。




恋の一歩を踏み出す事の出来た青葉はこれまでにないほどの満面の笑みを浮かべていた。

次回予告


第8話 勝手な決め事

いいえ!婚約者としてもっとフレンドリーに呼び合うべきです!!!

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