七日目
長らくお待たせしました、三話目です。出来るだけ二ヶ月以内に更新したかったんだけどな~
私は引き寄せられるようにゲームセンターの奥へ進む。
今日で七日目だ。
今日こそは、と拳を胸にあてる。
ベッドに倒れ込む。今日もお金が消えていっただけだった。
ごろりと寝返りを打つ。開いたカバンの中にプリントが見えた。その体勢のまま手を伸ばし、その紙切れを手に取る。
「数列かぁ……」
数学の宿題だった。最近宿題に手をつけていない。久しぶりにやるか、と思い、シャーペンを執る。
一問目はこれだった。
次の数列{an}の一般項を求めよ。
1, 4, 7, 10, 13, 16,……
なるほど、等差数列の問題か。シャーペンが走り、解答を記していく。
4-1=3
従って、求める数列は、初項1、公差3の等差数列である。
よって
an=1+3(n-1)
=1+3n-3
=3n-2
A,an=3n-2
解答を記入した直後、右手からシャーペンがこぼれ落ちた。数学は好きだ。でも、学校が関わってくると、本能的に体が拒絶反応を起こす。そう、あの日から。
再びベッドに転がる。天井の蛍光灯から放たれた光が、目に突き刺さる。見つめているうちに、蛍光灯の中の温度は一万度にも達する、ということをトガシが言っていたことを思い出した。
あれ? 私は疑問を感じた。蛍光灯のガラスってそんな温度でなんともないのだろうか? そう言えば、トガシが何か言っていたような気がする。何だったか……思い出せない。まあ、またトガシに訊いてみたらいいか。
それにしても、と私は蛍光灯を見据える。一万度もあるというのに、どうして、どうして、こんなに冷たい光しか投げ掛けてくれないのだろうか。どうして……。
私は寝返りを打ってうつ伏せになり、堅く目を閉じた。そして頭から布団をかぶった。
とにかく、蛍光灯の光から逃げたかった。
次回、「私」の過去に触れる予定。乞うご期待!