彼が嫌いだったことを全部やってみた
先週 鳩尾まであった髪を 耳下まで切った
フレンチマニキュアをやめて 深紅の色をのせた
煙草を吸ってみた 初めてじゃないフリをして
ウィスキーを一晩で5杯飲んだ ワインをグラスに1杯でも顔が赤くなるのに
こうやって彼が嫌いだったことをどんなにやってみたところで
彼がそれを知ることはなく
かつて彼と一緒にいた頃の私を消そうとすればするほど
私の心にはしっかりと痕が残る
今週 髪に軽くカラーを入れた 黒髪のロングが似合うと言ってた彼へのあてつけ
変わりたくて変えるんじゃないの
鏡に映る私が あの時と同じ姿の私が 彼を思い出させるから
ちょうど鳩尾あたりの毛先が 腕を回した時の彼の掌の位置
今はもうそこには つやつやの黒髪も彼の大きな手もない
来週は もうわからない 何をすればいいのか
何をしても やっぱり 彼のことは まだ好きなまま