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⑬ヴィヴィアンの登場
その時、彼女の背後から、優しい声が聞こえた。
「シャル…」
ヴィヴィアンだった。彼は、シャルロッテの尋常ではない様子に気づき、彼女を追いかけてきたのだ。彼の銀色の瞳は、悲しみに満ちていた。
「ヴィヴィアン…ベルンが…」
シャルロッテは、声にならない嗚咽を漏らしながら、彼の顔を見上げた。しかし、ヴィヴィアンは、ただ静かに彼女を抱きしめた。
「大丈夫だ、シャル。大丈夫だ…」
彼の声は、彼女の心の奥底にまで届くようだった。しかし、彼女の心は、もうボロボロだった。自分が創り出した世界のせいで、ベルンを何度も死なせてしまい、友人たちを巻き込んでいたという事実は、彼女の心を深くえぐった。
(私が…ヴィーデルだったなんて…)
シャルロッテは、ヴィヴィアンの胸の中で、静かに泣き崩れた。




