天使に望む
面倒で面の良い女が好きだ。身長は自分より15センチ低くて手先が綺麗で華奢、肌は白く目元だけを写真で切り抜いても美しい容貌で、さらにメイクも髪のセットも上手で、自分を外に出すことになんの躊躇いもない、純粋に今を生きる賢い女が好きだ。
けれど、自分の方が面倒で、自分の方が重くて、時には夢に天秤が傾く、そんな自分を受け入れてくれる女はきっと俺じゃない男を好きになる。目に見える。失いたくない。
「だから私に望むんだ?」
窓枠につま先を立ててしゃがんでいる、俺の好みでしかない天使が意地悪な笑みを浮かべて俺を見上げる。
「死んでも生きてもない私に」
そうだよ。
吊られたままの頭で頷いた。力が抜けたみたいに。




