6-16(98) 尋問
「アレで終わったんじゃないんですか…?」
「終わるわけないっす。はい、正座」
「でもベーグルさんは納得したみt」
「せ、い、ざ」
「はい…」
泣き疲れたのか緊張の糸が切れたのか、ベーグルさんは寝てしまった。それをベッドに運び、一件落着と思ったのだが…今度はクローバーに詰められている。
「私の大切な、ほんっとうに大切な友達を泣かしておいて、タダで済むとは思ってないっすよねぇ…?」
「でも、あの、」
「口答えしない」
「はい…」
クローバーがベーグルさんみたいな圧を纏っている。どこで会得したのそれ。
「入港ドックに艦が無く、本気で捨てられたと思ってたっすからね、あの子」
「それは…うん、申し訳ない」
「記憶頼りに必死に探して、なんとか修理中のを見つけたっすけど、そこの人にも[事情が変わったから、艦長来ても連絡できない]って言われたっす。何しちゃってくれてるんすか」
なんか…報連相はやはり重要だった。
「まぁそれはちゃんと謝ってたっすから、それは置いとくっす。」
「うん、ありがとう」
「だからと言ってベーグルちゃんのこと蔑ろにしたら怒るっすからね。修理終わるまで時間あるんすから、心配かけた分構ってあげるっすよ?」
「分かった。というかカフディで僕がやることがもうほぼ無い」
蹴られた。
「で、」
「で?」
「なんの改造してるんすか?明らかに、修理だけじゃないっすけど」
「そんな…大したことではないよ?」
「嘘っすね。そういう目をしてるっす」
この、まっすぐどんな嘘でも見抜くよう目が苦手だ。誤魔化すのに罪悪感が出てくる。だとしても。
「雪風の機関はちょいと特殊なので、修理にも時間がかかるんよ」
「………」
「改造も頼むけど、予備配線の増設とかだし」
「…嘘言ってる目じゃないっす。でも全部伝えてる目でもないっす。なんか言ってないか、誤魔化してるっすね」
ほら見たことか、全部お見通しだよこんちくしょう。でも、嘘は言っていない。これだけで勘弁してほしい。
「まぁいいっす。言えない事情だってあるんすよね」
「分かってくれてありがとう」
「でも、」
その時のクローバーの目は、射抜くような鋭さを持っていた。いつもの飄々とした雰囲気はなく。ただそれは、心の芯を見抜くような、そう感じさせるに充分な威圧感を持っていた。
「次何も言わずに消えたら、絶対に探し出してぶん殴るすから」
「…おーけー。覚えておく」
読んでいただきありがとうございます。
誤字報告も感謝です。
2025/06/27 執筆完了
2025/08/08 投稿




