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6-15(97) 尋問?

 しかし暇だ。4週間、艦の改造として考えればとんでもない突貫工事をしてくれていることは分かる。だがしかし、暇だ。

 暇つぶしのアテぐらい作ってから改造に出すべきだったか?でもあんな運転をしたジェネレーターは予想通り大規模修理が必要だったし、点検のついでに改造したのは正解だったと思うが…


「せーんーぱい?」

「!?」


 考え事をしながらだと、周辺の警戒が疎かになる。例え相手がどんなに(気配的に)うるさくとも、警戒しなければそれを感じ取ることができない。

 その結果、今僕はクローバーに左腕を掴まれた。

 てかなにこの圧、怖いんですけど。


「艦長さん?」


 そしてベーグルさんが右側についた。これは逃げ出せないな。逃げる気ないけども。

 逃げる気ないけども!!


「お、おや奇遇ですね」

「ここはそう広くないんすから、奇遇も何もないっすよ」

「とりあえず、ホテル、行きましょうか。そこでゆっくり話しましょう?」

「あっはい」


ーーーーーーーーーー


 ホテル。それは貸宿の上位互換。いや逆だ。貸宿がホテルの下位互換だ。

 まぁともかく、そこにはまともなロビーがあって、受付の人が居て、内装もきちんとしている宿である。

 …あの受付の人、最後舌打ちしてたな。聞こえちゃったよ。そりゃ外野から見れば、いい獲物見つけた2人組、あるいは両手に華のクソ野郎かもしれんが、でも聞こえる大きさの舌打ちはダメだよ。仮にも仕事中の人間としてどうなの…?というか内情がそんな甘いもんじゃないんだよ。連行される犯罪者の方が、どちらかというと近いんよ。


 椅子に座らされた。机。卓上ランプ。対面にベーグルさん。奥で書き物してるクローバー。何これ刑事ドラマ?


「なんで何も言わずにいなくなったんですか!!」


 ベーグルさんが涙目で身を乗り出して言ってきた。泣くのそっちなの?


「いや僕は別にそんなつもりじゃ…」

「港に戻っても雪風が居なくて、私ほんとに捨てられたんだと思いました!あんなにお金まで渡して、コレやるから降りろってことかと…私なんて邪魔なんだと……」


 そう言いながらベーグルさんは泣き出してしまった。どうしよう助けてクローバー。あ、あいつ一瞬だけこっち見て目逸らしやがった。


「えぇと…まず説明不足だったのは謝ります、ごめんなさい。でも僕は、ベーグルさんを邪魔だと思ったことはありません。それに今となっては大事なクルーです」

「……ほんとに…?」

「えぇ」


 目をまっすぐ合わせて言う。ここで逸らしたりしたら、一生信じてもらえなくなる。恥ずかしがったりなどしている場合ではないのである。


「だから、追い出したりとか、手切れ金渡してさよならとかしないです」

「……嘘じゃないですよね?信じますよ?私ちょろいから信じちゃいますよ!?いいんですね!」

「えぇ約束します。無言で勝手に離れたりなんてしませんよ」

「言いましたからね!一生ですからね!!嘘だったら姉さんに言いつけますからね!」


 そう言うとベーグルさんは、僕に抱きついてわんわん泣いていた。なんか、何かを致命的にしくじった気がする。他の選択肢などなかったけれど。あとクローバー、その含みを持った目はなんだ。あ、あいつため息つきやがった。

読んでいただきありがとうございます。

誤字報告も感謝です。


2025/06/24 執筆完了

2025/08/06 投稿

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