6-13(95) 脱出ポット
「過保護が想像以上だったぜ…」
「費用が想像以上でした…」
「当たり前だろあんな改造すんだから!!あの程度で済んでありがたいと思え!」
いらない部分を極力消し、遊びのある構造をずらして、なんとか伝達系を繋げる目処がたった。今はとりあえず、メイン2本サブ4本を設置し、もっともっと大規模な修繕をする時に、全てを埋め込むことになった。まぁその時に金があれば、だが。
「で、コレはなんだ。お前は何を考えてるんだ」
「もしも何かが起きた時に。その時に使うものです」
そう言いながら見ているものは、いくつかの脱出ポットの図面。僕はこれらの生存性も上げるつもりだ。
「母艦の機関が焼けるぞ」
「最悪吹っ飛ぶでしょうね」
「強制バイパスだから、起動に指揮権限がいる。つまりお前は残ることになる」
「まぁ艦長が艦橋にいないと使えませんね」
脱出ポットを射出し、その直後に母艦のエネルギーを使ってエーテル空間へワープさせる。通常宇宙に放り出すだけだった今までの脱出ポットよりも、より「逃げ」に特化したもの。
しかし本来の想定距離より遠い位置にある物をワープさせるには、ジェネレーターへの負荷が桁違いになる。かといって脱出ポットが近すぎる状態で起動すると、そのワープに母艦が削り取られかねない。
「…一応言っておくが、お前の自己犠牲で誰かが喜ぶとか、考えてるわけじゃねぇよな」
「少なくとも、僕自身が喜びます。それに、死人は少しでも少ないほうがいい。ただでさえ最近はきな臭いんですから…」
それに、そう軽く使うつもりもない。あくまで「どうやっても死ぬ」って時に、1人でも多く生き残らせるための脱出機構だ。まぁ使う時は使うつもりだが。
「一番影響あるのは、こいつですね。タイマー誤差が下振れしたらまずい」
「他もそう変わらんだろ。お前が伝達系増やそうとする理由はわかったよ」
「半壊しようと全壊しようと、少しでも生き延びれるようにしなくては。でないとあの世でエッジさんに叱られてしまいます」
「あー、あいつ時々河岸まで行ってるからな。うん、叱りそうだ。うっかり渡ろうとしてたら追い返してくれよ」
エッジさんはもう少し休むべきだと思う。
「とりあえず回路は入れとく。ポットも1つは変えといてやる。未改造ポットも飛ばせんくはないが、手動はあんまやるなよ。あと1回でもバイパスさせたら、その後はまともに動かんと思っとけ」
「わかってます。お願いします、カーデンさん」
読んでいただきありがとうございます。
誤字報告も感謝です。
2025/06/23 執筆完了
2025/08/02 投稿




